これから幼稚園や保育園選びを考えている方にとって、かなり気になるのが「認定こども園」の存在。
今年4月から国の施策として本格スタートした「子ども・子育て支援新制度」に伴って、いよいよ八千代市でも本格的に導入が進んでいるようなんです。
来月半ばには願書配布日がやってきますし、まさに今、園選びの最終調整中!という方も、来年・再来年度に向けて検討中!という方も、ぜひ知っておきたい情報を今回はお届けします。
※新制度の取り組みは、国で骨格は作っているものの「地域のニーズに見合った支援づくり」という観点から、実際の具体的な運用は各市町村に一任されています。平成27年4月から5年間が計画期間とされているので、今現在八千代市でも認定こども園の在り方について調整中のため、本内容が今後変更される場合もありますので予めご了承ください。
そもそも、
「認定こども園」って何??
認定こども園って、どんな園を指すのかご存じですか?
今まで小学校前の子どもたちが通う先としては、主に「幼稚園」と「保育所」の2つが多く利用されてきましたが、そこに両方の良さを合わせ持つ「認定こども園」という選択肢が増えたんです。
【認定こども園】
「小学校以降の教育の基礎をつくるための幼児期教育を行う学校」である幼稚園と、「就労などの理由で家庭で保育できない保護者に代わって保育する施設」である保育所の機能を一体的に行う施設のこと。新制度で謳われている『幼児教育や保育、地域の子育て支援の量の拡充や質の向上を進めていく取り組み』のひとつとして、国は「認定こども園」の普及を進めています。
認定こども園のメリットとしてよく挙げられているのが、
・保護者の就労状況に関わらず、子どもたち全員が教育・保育を一緒に受けられる。
・保護者の就労状況が変わっても、継続利用できる。
といった点です。
幼稚園の一時預かりの仕組みがもっと充実すれば、働くママも保育所以外の選択肢が出来る!というわけですね。
≪参考/幼保それぞれの役割≫
幼稚園
3~5歳/小学校以降の教育の基礎をつくるための幼児期教育を行う学校
利用時間:例)9:00~14:00、園により早朝や夕方、長期休暇中の預かり保育を個別に実施
利用できる保護者:制限無し
保育所
0~5歳/就労などの理由で家庭で保育できない保護者に代わって保育する施設
利用時間:例)7:30~18:30、11時間(=標準開所時間)を超えると延長保育料が別途かかる
利用できる保護者:共働き世帯など、家庭で保育できない保護者
※平成27年度から、1か月120時間以上就労する保護者の場合は従来どおり11時間、120時間に満たない場合は、新制度「保育短時間」に分類され、9:00~17:00など8時間まで利用可となりました。超えた時間分は、延長保育料の対象となります。
認定こども園が出来る!
といっても、まったく新しい園が設立されるというケースは今のところ八千代市内にはありません。
必ず、幼稚園か保育園の認可が必要となるので、元々認可されていた園が「認定こども園」としてパワーアップするという流れなんですね。
例えば、平成28年度から認定こども園としてスタートする園は、私が確認できているところで『高津幼稚園』と『エンゼルガーデン幼稚園』の2つあるのですが、どちらも元々持っている幼稚園の認可を活かして、「幼稚園型」の認定こども園として運営するために現在申請中です。
認可幼稚園から移行する場合、(A)保育時間の拡充など保育所機能をプラスし、(基本的には)3~5歳児を対象とする「幼稚園型」と、(B)認可保育所を併設し0~5歳児までを対象とする「幼保連携型」の選択肢がありますが、高津幼稚園さんやエンゼルガーデン幼稚園さんの場合は前者(A)のタイプ。
(預かり時間など具体的な辺りは、あとでもう少し詳しく紹介します。)
ちなみに八千代市で認定こども園となったトップバッターは、若葉ナースリスクールと若葉高津保育園さん。元々それぞれ幼稚園と保育所として認可されていた園で、合併という形で今年4月から「幼保連携型」の認定こども園としてスタートしています。
よく、『認定こども園だったら、どこでも0歳児から募集OKなんでしょう?』と思い違いされることが多いそうなんですが、こんな感じで“認定こども園”と一口に言っても幼稚園型と保育所型、さらに幼保一体型の3パターンがあるので、検討するときにはその園が何型なのかをチェックする必要があるようです。
≪参考/認定こども園のパターンについて≫
【幼稚園型】
法的な位置付け:学校(教育機関としての幼稚園 プラス 保育所機能を追加)
例)高津幼稚園、エンゼルガーデン幼稚園 ←※どちらも3~5歳児募集
(ポイント)
県から幼稚園のみの認可と、さらに認定こども園としての機能を有することを認定される必要があります。保育が必要な子どものための保育時間を確保するなど、保育所的な機能を備えることで認定こども園としての機能を果たします。細かな条件をクリアすれば0歳からも預かれる可能性はありますが、従来の幼稚園から移行するケースの場合、基本的には3歳から5歳までの保育を対象としています。
【幼保連携型】
法的な位置付け:学校かつ児童福祉施設
例)若葉ナースリスクール・若葉高津保育園 ←※0~5歳児募集
(ポイント)
県から幼稚園と保育所の両方の認可を受ける必要があります。こちらの場合は、0~2歳児を預かる場合に欠かせない自園調理や、土曜も開園するといった条件もクリアしているので、0歳児から就学前のお子さんまでを受け入れられるようになっています。
【保育所型】
法的な位置付け:児童福祉施設(プラス 教育機関としての機能を追加)
(ポイント)
今のところ、八千代市内にはまだこのタイプはないようです。保育所に幼稚園の要素を取り入れますが、その際に幼稚園の認可は不要です。
↑ 今回調査するにあたりお話を伺った高津幼稚園さん。随分前ですが普段の様子についても取材に行きましたよ! ⇒幼稚園レポートはこちら
実際、認定こども園になることで、どんなことが変わるんでしょうか?
逆に変わらないことはどんなこと?
その辺りを、来年度に移行を控える「高津幼稚園」さんに伺ってきました!
Q.募集対象は何か変わるんですか?プレ保育はどうなるんでしょう?
A.
『3~5歳児を対象とした、今までと同じ募集を行います。定員についても特に変わりはありません。プレ保育(=幼稚園準備コースとして位置付けている「雛組(2歳児クラス)」)も、従来どおり引き続き募集していきます。』
Q.音楽や安全体育、英語、絵画など、さまざまな特別カリキュラムや日常的な保育内容など、特色の多い高津幼稚園さんですが、今後は何か変わることはあるのでしょうか?
A.
『当園が今まで行ってきたカリキュラムやイベントは、従来通り変わらず行っていきます。認定こども園になることで、より一層充実したものとなるよう努めてまいります。』
Q.保育時間については、どれくらい延長されるんでしょうか?
A.
『基本的な活動時間は9:00~14:00としていますが、以前から一時預かり(早朝保育や夕方の延長保育)はかなり長時間で対応してきました。特に今年度からは開園時間を7:00~19:00まで拡大していますので、現時点で保育時間の面だけで言えば認定保育所と同等レベルです。認定こども園に移行した後も、同時間で対応していきます。』
そうそう、
そこなのよ!!
高津幼稚園さんって、もともと延長保育が充実していて働くママさんも多いイメージなんですよね。
そんな中、あえて認定こども園へ移行するというのはなぜなんでしょうか?
どんなメリットがあるのかしら?
Q.どうして認定こども園への移行を決めたのですか?
A.
『理由は大きく2つあります。ひとつ目は、「より質の高い教育・保育を提供し続けるため」。
消費税が10%に増税されることに伴い、子育て支援のために国が確保する約1兆円規模の子育て支援のための財源は、認定こども園に移行して新制度を活用することで充当対象となります。これにより、さまざまな助成金(特色ある幼児教育への取り組みに対する補助、長期勤務の職員への加算など)が受けられるようになるので、保育料を値上げすることなく、今まで以上により質の高い幼児教育・保育・子育て支援を行っていけるという判断からです。』
↑ お勉強幼稚園なんじゃ・・・と言われがちな高津幼稚園ですが、園の様子を伺うと思った以上に体を動かすことも多く、バランスの取れたカリキュラムが魅力です。運動会やお遊戯会、音楽会といったイベントは、どれも「本当にこれが園児?!」と思わずにはいられないクオリティの高さ!それでいて、子どもたちは詰め込まれた感もなくハツラツとした表情なので、さらに驚きます。
『ふたつ目は、「利用者の費用負担が軽減されるため」。
従来、幼稚園の保育料は各園で自由に設定されていましたが、認定こども園の場合は認可保育所と同じように、お住まいの市町村によって定められます。保護者の市民税所得割に応じて利用者の負担金額が決められるので、もし万が一、就労状況などの悪化で世帯収入が下がったとしても保育料もそれに応じて下がったり免除になってりしますから、金銭的な理由で転園する必要がなくなり安心して卒園まで預けることができます。』
今までは、保育料って幼稚園ごとに違っていましたよね。
それが、認可保育園のように世帯の所得の状況(父母の市民税所得割額の合計から算定)などに応じて、基本保育料にあたる「利用者負担」が決まるんですって!
【新制度に伴う財政措置】
★もし、従来の幼稚園のまま新制度を利用しない(=施設型給付を受けない)と・・・?
⇒園に対しては私学助成が継続され、保護者には幼稚園就園奨励費の支給が継続される。
★認定こども園になって施設型給付を受けると・・・? ←高津幼稚園さんはこちら
⇒国が確保する新たな約1兆円程度の財源からの充当対象となる。園に対して私学助成(特色ある幼児教育への取り組みに対する補助なども有り)がある。ただし従来の就園奨励費は保育料から差し引かれるため、各家庭への直接支給は無くなる。
具体的には、こんな費用的なメリットがあるそうです。
(メリット その1)保育料は所得に応じて市が定める金額に
保育料は、保護者の所得に応じて八千代市が定める一律の月額利用料金となります。どこの認定こども園を利用しても、基本保育料は同じ額!ということに。
ただし、その保育料(=利用者負担)以外に各園でかかる実費徴収(送迎バス代、給食費、文具費、行事費など)や特別保育などにかかる費用は、従来通り別途発生します。(この保育料以外の諸費用についても、例えば生活保護世帯や市民税非課税世帯など、世帯の事情に応じて市から補足給付が行われる方向で検討が進められているようですが、まだ詳しいことは未定・・・。)
(メリット その2)利用者負担の軽減措置
新制度の適用で、同一世帯に複数の子どもがいる場合、条件によって第2子の保育料は半額、第3子以降は無料という、大幅軽減となるんですって!
同一世帯の複数の子どもが幼稚園・保育所を利用する場合、
1号認定⇒年少~小3の間に子どもが複数名就園・就学している場合(小4以上、2歳以下はカウントしない)
2号、3号認定⇒0歳~年長児までの範囲で、子どもが教育・保育施設等を同時に利用している場合
第1子:全額負担、第2子:半額、第3子以降:無料
1号認定?
2号認定??
ナニソレ、ですね。
突然出てきたこれらは、新制度に欠かせない要素認定区分です。
【認定区分】
新制度を利用する方は全員、利用目的によって3つに振り分けられ、認定を受ける必要があります。認定こども園の利用者負担額や、その金額内に含まれる保育時間などの支援内容も、この区分によって変わってきます。
※ちなみにこの認定手続きは、園が窓口になって一括して利用者が住む各市町村役所へ申請するため、個人で市役所などへ出向いて手続きをする必要はありません。
≪参考/認定こども園のパターンについて≫
【1号認定】 :教育標準時間認定
⇒お子様が満3歳以上で、教育を希望される場合
【2号認定】 :満3歳以上・保育認定
⇒お子様が満3歳以上で、就労(パートや夜間、居宅内の労働など全ての就労を含む)や妊娠・出産、保護者の疾病・障害、求職活動など、八千代市で定められた「保育を必要とする事由」のいずれかに該当し、保育所等での保育を希望される場合
【3号認定】 :満3歳未満・保育認定
⇒お子様が満3歳未満で、2号認定と同一の条件
ちなみに、3号認定のお子さんは年齢的に幼稚園には入れないので、高津幼稚園のように3~5歳を募集対象とする「幼稚園型認定こども園」にも入園することは出来ません(2歳児保育のようなプレスクールは、正式な入園にはならないので対象外ですよ!もちろん、プレスクールに入るために認定は必要ありません)。
気になる利用者負担の金額ですが、認定区分と世帯の所得の状況によって決まります。
お住まいの市町村によって毎年9月頃に決定されるようです。
ご参考までに、リンクを紹介。
・八千代市
⇒子ども・子育て支援新制度における利用者負担(案)のお知らせ
・船橋市
⇒平成27年度保育料表について
・佐倉市
⇒佐倉市の保育料金表
・習志野市
⇒平成27年度 保育所保育料について
Q.一日の保育時間はどう変わるんですか?
A.
『1号認定の方は、従来通りで変更ありません。一時保育の扱いや金額につきましても、今までどおりです。2号認定の方につきましては、保育標準時間(1か月120時間以上就労する保護者の方)で申請されている方と、保育短時間(1ヶ月120時間以下で就労する保護者の方)の方では、基本保育料内で保育できる時間が異なりますので、延長保育の対象となる時間帯に違いがあります。
お勤めをなさっていらっしゃるからといって、保育短時間で必ず申請しなければならないということではありませんので、ご自身のワークスタイルによって1号認定で随時一時預かりをご利用になるという方法でも大丈夫です。ご不明な点はお気軽にご相談ください。』
↓ 高津幼稚園さんの場合
※平成28年4月時点/区分認定ごとの保育時間(赤字部分が従来からの変更項目)
Q.他に何か、変わる点はありますか?
A.
『昼食について変わります。今までは基本的には全員牛乳がありましたが、認定こども園への移行に伴い、牛乳は無くなります(牛乳費も無し)。また、今までは週3回のみ給食としていましたが、週5回給食も選択できるようにいたしました。なお、2号認定の場合は保育料に給食費が含まれているため、給食費の徴収はありません。』
その他、保育料以外の諸費用の面で、1号と2号で一部費用に違いがあったりするようです。
ちょっと説明が複雑になってはしまいましたが・・・
認定こども園になることで、何かすごく変わってしまうのか?と言えば、元々一時預かりが充実している高津幼稚園さんの場合は、内容的にはあまり変わりはないということが分かりました。
むしろ、費用的な面ではフルで働くママの場合は保育料がより優遇されることになったり、年の近い兄弟姉妹がいると負担が軽くなる可能性が高いし、1号認定の方にしても恐らく今までよりは月額の負担が軽くなりそうです。
高津幼稚園さんでは、見学説明会の日でなくても事前に問い合わせておけば大丈夫!
(行事などの関係で対応できない時間もあるようなので)
詳しくは、ぜひ直接園にて確認してみてくださいね!
●高津幼稚園 TEL 047-485-1809
千葉県八千代市高津1516(地図)
⇒幼稚園の体験レポートはこちら
⇒高津幼稚園ホームページはこちら
【参考】
⇒県内の認定こども園一覧/http://www.pref.chiba.lg.jp/jika/hoikusho/nintei/ichiran/(千葉県ホームページ)
⇒内閣府/子ども・子育て支援新制度 紹介ページ http://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/
今年4月から国の施策として本格スタートした「子ども・子育て支援新制度」に伴って、いよいよ八千代市でも本格的に導入が進んでいるようなんです。
来月半ばには願書配布日がやってきますし、まさに今、園選びの最終調整中!という方も、来年・再来年度に向けて検討中!という方も、ぜひ知っておきたい情報を今回はお届けします。
※新制度の取り組みは、国で骨格は作っているものの「地域のニーズに見合った支援づくり」という観点から、実際の具体的な運用は各市町村に一任されています。平成27年4月から5年間が計画期間とされているので、今現在八千代市でも認定こども園の在り方について調整中のため、本内容が今後変更される場合もありますので予めご了承ください。
そもそも、
「認定こども園」って何??
認定こども園って、どんな園を指すのかご存じですか?
今まで小学校前の子どもたちが通う先としては、主に「幼稚園」と「保育所」の2つが多く利用されてきましたが、そこに両方の良さを合わせ持つ「認定こども園」という選択肢が増えたんです。
【認定こども園】
「小学校以降の教育の基礎をつくるための幼児期教育を行う学校」である幼稚園と、「就労などの理由で家庭で保育できない保護者に代わって保育する施設」である保育所の機能を一体的に行う施設のこと。新制度で謳われている『幼児教育や保育、地域の子育て支援の量の拡充や質の向上を進めていく取り組み』のひとつとして、国は「認定こども園」の普及を進めています。
認定こども園のメリットとしてよく挙げられているのが、
・保護者の就労状況に関わらず、子どもたち全員が教育・保育を一緒に受けられる。
・保護者の就労状況が変わっても、継続利用できる。
といった点です。
幼稚園の一時預かりの仕組みがもっと充実すれば、働くママも保育所以外の選択肢が出来る!というわけですね。
≪参考/幼保それぞれの役割≫
幼稚園
3~5歳/小学校以降の教育の基礎をつくるための幼児期教育を行う学校
利用時間:例)9:00~14:00、園により早朝や夕方、長期休暇中の預かり保育を個別に実施
利用できる保護者:制限無し
保育所
0~5歳/就労などの理由で家庭で保育できない保護者に代わって保育する施設
利用時間:例)7:30~18:30、11時間(=標準開所時間)を超えると延長保育料が別途かかる
利用できる保護者:共働き世帯など、家庭で保育できない保護者
※平成27年度から、1か月120時間以上就労する保護者の場合は従来どおり11時間、120時間に満たない場合は、新制度「保育短時間」に分類され、9:00~17:00など8時間まで利用可となりました。超えた時間分は、延長保育料の対象となります。
認定こども園が出来る!
といっても、まったく新しい園が設立されるというケースは今のところ八千代市内にはありません。
必ず、幼稚園か保育園の認可が必要となるので、元々認可されていた園が「認定こども園」としてパワーアップするという流れなんですね。
例えば、平成28年度から認定こども園としてスタートする園は、私が確認できているところで『高津幼稚園』と『エンゼルガーデン幼稚園』の2つあるのですが、どちらも元々持っている幼稚園の認可を活かして、「幼稚園型」の認定こども園として運営するために現在申請中です。
認可幼稚園から移行する場合、(A)保育時間の拡充など保育所機能をプラスし、(基本的には)3~5歳児を対象とする「幼稚園型」と、(B)認可保育所を併設し0~5歳児までを対象とする「幼保連携型」の選択肢がありますが、高津幼稚園さんやエンゼルガーデン幼稚園さんの場合は前者(A)のタイプ。
(預かり時間など具体的な辺りは、あとでもう少し詳しく紹介します。)
ちなみに八千代市で認定こども園となったトップバッターは、若葉ナースリスクールと若葉高津保育園さん。元々それぞれ幼稚園と保育所として認可されていた園で、合併という形で今年4月から「幼保連携型」の認定こども園としてスタートしています。
よく、『認定こども園だったら、どこでも0歳児から募集OKなんでしょう?』と思い違いされることが多いそうなんですが、こんな感じで“認定こども園”と一口に言っても幼稚園型と保育所型、さらに幼保一体型の3パターンがあるので、検討するときにはその園が何型なのかをチェックする必要があるようです。
≪参考/認定こども園のパターンについて≫
【幼稚園型】
法的な位置付け:学校(教育機関としての幼稚園 プラス 保育所機能を追加)
例)高津幼稚園、エンゼルガーデン幼稚園 ←※どちらも3~5歳児募集
(ポイント)
県から幼稚園のみの認可と、さらに認定こども園としての機能を有することを認定される必要があります。保育が必要な子どものための保育時間を確保するなど、保育所的な機能を備えることで認定こども園としての機能を果たします。細かな条件をクリアすれば0歳からも預かれる可能性はありますが、従来の幼稚園から移行するケースの場合、基本的には3歳から5歳までの保育を対象としています。
【幼保連携型】
法的な位置付け:学校かつ児童福祉施設
例)若葉ナースリスクール・若葉高津保育園 ←※0~5歳児募集
(ポイント)
県から幼稚園と保育所の両方の認可を受ける必要があります。こちらの場合は、0~2歳児を預かる場合に欠かせない自園調理や、土曜も開園するといった条件もクリアしているので、0歳児から就学前のお子さんまでを受け入れられるようになっています。
【保育所型】
法的な位置付け:児童福祉施設(プラス 教育機関としての機能を追加)
(ポイント)
今のところ、八千代市内にはまだこのタイプはないようです。保育所に幼稚園の要素を取り入れますが、その際に幼稚園の認可は不要です。
↑ 今回調査するにあたりお話を伺った高津幼稚園さん。随分前ですが普段の様子についても取材に行きましたよ! ⇒幼稚園レポートはこちら
実際、認定こども園になることで、どんなことが変わるんでしょうか?
逆に変わらないことはどんなこと?
その辺りを、来年度に移行を控える「高津幼稚園」さんに伺ってきました!
Q.募集対象は何か変わるんですか?プレ保育はどうなるんでしょう?
A.
『3~5歳児を対象とした、今までと同じ募集を行います。定員についても特に変わりはありません。プレ保育(=幼稚園準備コースとして位置付けている「雛組(2歳児クラス)」)も、従来どおり引き続き募集していきます。』
Q.音楽や安全体育、英語、絵画など、さまざまな特別カリキュラムや日常的な保育内容など、特色の多い高津幼稚園さんですが、今後は何か変わることはあるのでしょうか?
A.
『当園が今まで行ってきたカリキュラムやイベントは、従来通り変わらず行っていきます。認定こども園になることで、より一層充実したものとなるよう努めてまいります。』
Q.保育時間については、どれくらい延長されるんでしょうか?
A.
『基本的な活動時間は9:00~14:00としていますが、以前から一時預かり(早朝保育や夕方の延長保育)はかなり長時間で対応してきました。特に今年度からは開園時間を7:00~19:00まで拡大していますので、現時点で保育時間の面だけで言えば認定保育所と同等レベルです。認定こども園に移行した後も、同時間で対応していきます。』
そうそう、
そこなのよ!!
高津幼稚園さんって、もともと延長保育が充実していて働くママさんも多いイメージなんですよね。
そんな中、あえて認定こども園へ移行するというのはなぜなんでしょうか?
どんなメリットがあるのかしら?
Q.どうして認定こども園への移行を決めたのですか?
A.
『理由は大きく2つあります。ひとつ目は、「より質の高い教育・保育を提供し続けるため」。
消費税が10%に増税されることに伴い、子育て支援のために国が確保する約1兆円規模の子育て支援のための財源は、認定こども園に移行して新制度を活用することで充当対象となります。これにより、さまざまな助成金(特色ある幼児教育への取り組みに対する補助、長期勤務の職員への加算など)が受けられるようになるので、保育料を値上げすることなく、今まで以上により質の高い幼児教育・保育・子育て支援を行っていけるという判断からです。』
↑ お勉強幼稚園なんじゃ・・・と言われがちな高津幼稚園ですが、園の様子を伺うと思った以上に体を動かすことも多く、バランスの取れたカリキュラムが魅力です。運動会やお遊戯会、音楽会といったイベントは、どれも「本当にこれが園児?!」と思わずにはいられないクオリティの高さ!それでいて、子どもたちは詰め込まれた感もなくハツラツとした表情なので、さらに驚きます。
『ふたつ目は、「利用者の費用負担が軽減されるため」。
従来、幼稚園の保育料は各園で自由に設定されていましたが、認定こども園の場合は認可保育所と同じように、お住まいの市町村によって定められます。保護者の市民税所得割に応じて利用者の負担金額が決められるので、もし万が一、就労状況などの悪化で世帯収入が下がったとしても保育料もそれに応じて下がったり免除になってりしますから、金銭的な理由で転園する必要がなくなり安心して卒園まで預けることができます。』
今までは、保育料って幼稚園ごとに違っていましたよね。
それが、認可保育園のように世帯の所得の状況(父母の市民税所得割額の合計から算定)などに応じて、基本保育料にあたる「利用者負担」が決まるんですって!
【新制度に伴う財政措置】
★もし、従来の幼稚園のまま新制度を利用しない(=施設型給付を受けない)と・・・?
⇒園に対しては私学助成が継続され、保護者には幼稚園就園奨励費の支給が継続される。
★認定こども園になって施設型給付を受けると・・・? ←高津幼稚園さんはこちら
⇒国が確保する新たな約1兆円程度の財源からの充当対象となる。園に対して私学助成(特色ある幼児教育への取り組みに対する補助なども有り)がある。ただし従来の就園奨励費は保育料から差し引かれるため、各家庭への直接支給は無くなる。
具体的には、こんな費用的なメリットがあるそうです。
(メリット その1)保育料は所得に応じて市が定める金額に
保育料は、保護者の所得に応じて八千代市が定める一律の月額利用料金となります。どこの認定こども園を利用しても、基本保育料は同じ額!ということに。
ただし、その保育料(=利用者負担)以外に各園でかかる実費徴収(送迎バス代、給食費、文具費、行事費など)や特別保育などにかかる費用は、従来通り別途発生します。(この保育料以外の諸費用についても、例えば生活保護世帯や市民税非課税世帯など、世帯の事情に応じて市から補足給付が行われる方向で検討が進められているようですが、まだ詳しいことは未定・・・。)
(メリット その2)利用者負担の軽減措置
新制度の適用で、同一世帯に複数の子どもがいる場合、条件によって第2子の保育料は半額、第3子以降は無料という、大幅軽減となるんですって!
同一世帯の複数の子どもが幼稚園・保育所を利用する場合、
1号認定⇒年少~小3の間に子どもが複数名就園・就学している場合(小4以上、2歳以下はカウントしない)
2号、3号認定⇒0歳~年長児までの範囲で、子どもが教育・保育施設等を同時に利用している場合
第1子:全額負担、第2子:半額、第3子以降:無料
1号認定?
2号認定??
ナニソレ、ですね。
突然出てきたこれらは、新制度に欠かせない要素認定区分です。
【認定区分】
新制度を利用する方は全員、利用目的によって3つに振り分けられ、認定を受ける必要があります。認定こども園の利用者負担額や、その金額内に含まれる保育時間などの支援内容も、この区分によって変わってきます。
※ちなみにこの認定手続きは、園が窓口になって一括して利用者が住む各市町村役所へ申請するため、個人で市役所などへ出向いて手続きをする必要はありません。
≪参考/認定こども園のパターンについて≫
【1号認定】 :教育標準時間認定
⇒お子様が満3歳以上で、教育を希望される場合
【2号認定】 :満3歳以上・保育認定
⇒お子様が満3歳以上で、就労(パートや夜間、居宅内の労働など全ての就労を含む)や妊娠・出産、保護者の疾病・障害、求職活動など、八千代市で定められた「保育を必要とする事由」のいずれかに該当し、保育所等での保育を希望される場合
【3号認定】 :満3歳未満・保育認定
⇒お子様が満3歳未満で、2号認定と同一の条件
ちなみに、3号認定のお子さんは年齢的に幼稚園には入れないので、高津幼稚園のように3~5歳を募集対象とする「幼稚園型認定こども園」にも入園することは出来ません(2歳児保育のようなプレスクールは、正式な入園にはならないので対象外ですよ!もちろん、プレスクールに入るために認定は必要ありません)。
気になる利用者負担の金額ですが、認定区分と世帯の所得の状況によって決まります。
お住まいの市町村によって毎年9月頃に決定されるようです。
ご参考までに、リンクを紹介。
・八千代市
⇒子ども・子育て支援新制度における利用者負担(案)のお知らせ
・船橋市
⇒平成27年度保育料表について
・佐倉市
⇒佐倉市の保育料金表
・習志野市
⇒平成27年度 保育所保育料について
Q.一日の保育時間はどう変わるんですか?
A.
『1号認定の方は、従来通りで変更ありません。一時保育の扱いや金額につきましても、今までどおりです。2号認定の方につきましては、保育標準時間(1か月120時間以上就労する保護者の方)で申請されている方と、保育短時間(1ヶ月120時間以下で就労する保護者の方)の方では、基本保育料内で保育できる時間が異なりますので、延長保育の対象となる時間帯に違いがあります。
お勤めをなさっていらっしゃるからといって、保育短時間で必ず申請しなければならないということではありませんので、ご自身のワークスタイルによって1号認定で随時一時預かりをご利用になるという方法でも大丈夫です。ご不明な点はお気軽にご相談ください。』
↓ 高津幼稚園さんの場合
※平成28年4月時点/区分認定ごとの保育時間(赤字部分が従来からの変更項目)
Q.他に何か、変わる点はありますか?
A.
『昼食について変わります。今までは基本的には全員牛乳がありましたが、認定こども園への移行に伴い、牛乳は無くなります(牛乳費も無し)。また、今までは週3回のみ給食としていましたが、週5回給食も選択できるようにいたしました。なお、2号認定の場合は保育料に給食費が含まれているため、給食費の徴収はありません。』
その他、保育料以外の諸費用の面で、1号と2号で一部費用に違いがあったりするようです。
ちょっと説明が複雑になってはしまいましたが・・・
認定こども園になることで、何かすごく変わってしまうのか?と言えば、元々一時預かりが充実している高津幼稚園さんの場合は、内容的にはあまり変わりはないということが分かりました。
むしろ、費用的な面ではフルで働くママの場合は保育料がより優遇されることになったり、年の近い兄弟姉妹がいると負担が軽くなる可能性が高いし、1号認定の方にしても恐らく今までよりは月額の負担が軽くなりそうです。
高津幼稚園さんでは、見学説明会の日でなくても事前に問い合わせておけば大丈夫!
(行事などの関係で対応できない時間もあるようなので)
詳しくは、ぜひ直接園にて確認してみてくださいね!
●高津幼稚園 TEL 047-485-1809
千葉県八千代市高津1516(地図)
⇒幼稚園の体験レポートはこちら
⇒高津幼稚園ホームページはこちら
【参考】
⇒県内の認定こども園一覧/http://www.pref.chiba.lg.jp/jika/hoikusho/nintei/ichiran/(千葉県ホームページ)
⇒内閣府/子ども・子育て支援新制度 紹介ページ http://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/
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