八千代ナビ!八千代の暮らしレポート

私達の住む八千代市って、どんな街並み?どんな施設があるの?どんな改善するべきことを抱えているの? 一市民として、子どもを持つ母として、働く女性として、八千代市に在住する「八千代ナビ」の管理人やちなび子が、八千代の暮らしについて一般庶民の視線でレポート!

カテゴリ: 市民活動

【追記】2012年8月1日 いよいよ拠点回収が始まりました!詳細情報を末尾に追記しています。

最近、八千代市のあちこちで「使用済み食用油を回収します」という文言を見かけませんか?
広報やちよ紙面でも“清掃センターで使用済み食用油などを回収する”というお知らせが掲載されていますし、今月15日・16日に行われる毎年恒例のどーんと祭りでも、イベントのひとつとして油の回収が告知されています。
実は今、『家庭から出る天ぷら廃油で“エネルギーの地産地消”プロジェクト』に挑んでいるらしいのです。

なんじゃそりゃ!
天ぷら油を回収することが、地産地消につながる??

「天ぷら廃油をリサイクル」というのは割とよく耳にしますが、これを原料にして石鹸やロウソクを作るのかと思いきや、“エネルギー”と銘打つに相応しい動力資源として再利用するらしいのです。使い終わったら固める○ンプルとかで燃えるゴミにしてきた油が、どういう形でリサイクルにつながっていくのかしら?そもそも何がきっかけで、八千代で取り組みが始まっているんでしょうか?
ということで、今回の暮らしレポートは“八千代市の廃食用油燃料化事業”について。
このプロジェクトを八千代市とともに支える「NPOコミュニティひまわり」の事務局長であり、同時に事業の策定員会委員長でもある有馬富穂氏に、さまざまな角度からお話を伺ってきました!

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↑ H23.2月「廃食用油燃料化事業可能性調査」の資料なども参考に、今回のレポートを書きました。

八千代市では、“地域に存在する新エネルギー”を有効活用することによって、地球温暖化や化石燃料使用削減などの問題に対処していこう!という考えのもと、平成21年度に「八千代市地域新エネルギー・省エネルギービジョン」が策定されています。
果たしてこの土地では、どんなエネルギーが利用出来そうなのか?
あらゆる面から八千代市について分析されていきました。
例えば、風力発電には平均風速5.0m/sec以上が必要とされていますが、八千代市の平均風速は2.5m/sec程度ですから難しそうだ、といった具合に、降雨量や平均日照時間など気候的な特徴をはじめ、土地の活用状況や人口、商業状況まで、さまざまな角度から事業として経済的利用が可能かどうか調査された結果、「どうやら八千代には、廃食用油が潜在的に眠っているらしいぞ?」という実態が見えてきたのです。

八千代市の「隠れ油田」。
それは、市内に集中する食品製造会社をはじめ、大手スーパーや飲食店チェーンが排出している使用済みの食用油のことでした。

廃食用油の行き先を調査した結果、質の良いものは家畜飼料のエサに混ぜるものとして有償で埼玉や栃木など他県へ流出しており、低質なものは廃棄物処理業者を通じてゴミとして処理されているようです。また小規模な飲食店などでは、ほとんどが可燃ゴミに。ベッドタウンとして発展している八千代市ではファミリー層も多く、頻繁に食用油が消費されているようですが、やはり新聞紙に吸収したり凝固剤で固めて燃えるごみとして処理されていました。
唯一「八千代市福祉作業所つばさ」が石鹸作りのために、市内2ヶ所の保育園から回収・リサイクルしていることが分かったものの、市内全体で見ると、大口排出事業所以外では有効に利用されていないという実態が明らかになったのです。

『この廃食用油に着目したのは、近年バイオマスエネルギー(=生物由来の有機物資源(バイオマス)から得られる循環型エネルギー)として位置付けられた「バイオ燃料油」としての利用が出来ないか?という期待があったからです。バイオマスエネルギーは、燃やしても大気中の二酸化炭素の増減に影響を与えない(=カーボンニュートラル)特性を持っているため、地球温暖化対策に有効と言われています。』

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廃食用油の用途として、従来は主に(1)石鹸(2)家畜飼料に加工されていましたが、廃食用油の石鹸は需要が伸び悩み、家畜飼料も安価な輸入品に圧され気味でどちらも供給量が不安定。しかし(3)バイオディーゼル燃料(=BDF)への加工技術が出来てからは、化石燃料に代わるバイオマスエネルギーとして大変注目され、全国でも多くの市民団体や自治体によって回収が進められてきたのですが・・・実はすっかり行き詰まりを見せていて、回収した油が余って結局燃えるごみとして処分せざるを得ない状況を招いているというのです。

『バイオディーゼル燃料(=BDF)は、トラックやバス、農業用車両に用いる軽油代替エネルギーとして廃食用油の新たな用途だったのですが、このBDFに燃料化する過程でさまざまな問題点が事業化を阻んでいるのです。』
【BDFの問題点】
・機器や設備などの導入コストが高い
・製造過程で、アルカリ液を使用するため排水処理費がかかるほか、品質の悪い廃食用油になるほどグリセリンの排出量が増加し、その処理コストも必要になる。
・BDFは軽油同等に課税される
・品質の法規制が大変厳しい
・使用する自動車のエンジントラブルが問題になっている


『こうした経済的な問題や使用時の安全性などからBDFへの加工も頓挫し、最近では「廃食用油はリサイクルシステムの構築が困難である」と考えられてしまっているのが現状です。しかし国内では食用油が年間約237万トンも使用され、そのうち一般家庭でも約39万トンが消費されています。業務用の一部は飼料や工業用脂肪酸などに再資源化されるものの、年間約10万トンもの家庭から発生する廃食用油は、ただ一般ごみとして焼却処理されていくばかりです。』

限りある資源を、何とか有効活用できないものか?

そこで生み出されたのが、新たなバイオマスエネルギーとして急速に注目を集め始めている、重油の代替燃料「バイオ再生重油」だったのです。これは廃食用油を遠心分離・ろ過で精製したものを、再生重油(=自動車整備業などから出る自動車エンジンオイル廃油を回収・精製したもの)に混合したものだそうで、平成20年に札幌市の一企業で製造・燃焼実験が行われたばかりの最新燃料!
この技術であれば回収した廃食用油をそのまま利用できるため、加工過程でBDFのような廃液を全く出さずに済みますし、河川の水質汚濁防止対策面でも優れているとのこと。
何より設備投資もランニングコストも大変安く済みますし、従来から使用されている再生重油と全く変わらぬものとして利用できるので、需要の心配があるどころか来年度にはJIS化も検討されている期待の新エネルギーなんですって!

八千代市には、この技術を難なくこなせる企業がありました。
上高野にある業界大手の再生重油メーカー(株)東亜オイル興業所です。

東亜オイルさんは、産業廃棄物の収集運搬や中間処理、再生重油の製造などを行う企業で、平成20年には“循環型社会形成推進功労者優良企業”として環境大臣賞も受賞しているほど高い技術を誇っています。
重油としての物性を維持するには、混合率は廃食用油を20%程度にするのが妥当だそうですが、バイオ再生重油に不可欠な再生重油を年間10,000キロリットル規模で生産しているので、単純計算しても年間2,000キロリットルまで廃食用油の引き受けが出来る能力があります。
この事業に必要な設備は、東亜オイルさんが持つ既存の製造設備がそのまま使用できるそうで、新たな設備投資を一切必要としないことも大きなメリットとなりました。
こうした多くの利点を考慮し、八千代市の環境問題への取り組みは、バイオ再生重油を製造する「廃食用油燃料化事業」が採用されたということなんです。

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↑ 広報やちよや新聞で、この廃油回収&リサイクル事業が取り上げられました。

このバイオ再生重油を使用した場合の二酸化炭素削減効果について分かりやすく計算してみました!
2010年燃費標準基準の中型車(車種1.2t)が1万キロ走ったときに排出されるCO2は、約1437.5kg-CO2だそうですが、これを基準に換算してみます。
八千代市内の公共施設で使われている年間石油消費量は、重油として年間284.8キロリットル(H23時点)なので、バイオ再生重油に置き換えると、二酸化炭素の年間削減量は約154.2t-CO2削減されることになり、これは自動車約110台分に値するんです。
全国規模で見ればほんのわずかな置き換えで、これだけの効果が出せる廃食用油!捨ててしまえばただのゴミなのに。
ちなみに、学校給食センター使用燃料が2~3年以内に天然ガス仕様に変更される予定で重油使用量が大幅削減されるため、変更後の使用量で換算すると42.7t-CO2削減(約30台分)となります。
(もちろん製造されたバイオ再生重油は、市の公共施設にだけ使われるわけではなく各地へと運ばれていきます。)

『現在、バイオ再生重油は国内で採算ベースに合うところまできています。回収量がまとまれば経済性にも優れた事業ですし、単に八千代市のCO2削減の一助となるばかりではなく、全国的にBDFの利用が行き詰っている中で廃食用油の新たな用途が開けることになります。この地域新エネルギー導入事業を市民・事業所・八千代市が協働推進し、「廃食用油のバイオ燃料化モデル地区」として全国の先駆けとなることで、市の環境事業を対外的にPRするチャンスでもあるのです。』
【目的】
・バイオ燃料によるCO2削減対策
・河川水質汚濁防止対策
・可燃ごみ削減、油固形剤使用削減
・障害者支援
・市民の環境保全やリサイクル意識の向上


これだけ夢のある燃料ですが、一番の問題は「いかに廃食用油を回収できるか?」という一点。
廃食用油の回収実績がある先進地域を参考にしながら、一般家庭や保育所、学校給食などからの回収可能量を予測するほか、市内食品製造会社へヒアリング調査を進めるなどして、平成25年度までに3段階のステップを踏みながら、年間150~200キロリットルを目標に回収できるよう計画しているとのこと。

『平成22年に、この廃食用油を回収することについて市内自治会や幼稚園などを通じてアンケートを行いました。その結果、特に家庭から回収する場合は、どのような容器にどうやって入れるのか?出すときに周囲が汚れないか?可燃物なだけに取扱いが心配・・・といった不安の声も少なくなかったため、まずは第1段階として先行モデルを確立し、出す側・回収する側の双方で無理なく実行できるよう進めています。』

既にこの第1段階のスケジュールは平成23年4月からスタートしていて、先行モデルとなる幼稚園、保育園などの小口排出元からの回収を始めています。さらに7月からは清掃センターへ市民が持ち込める体制が整い、公民館やスーパーにも呼びかけのチラシが貼られるようになってきました。
この回収作業の中心となるのが、市内にある福祉事業所「つばさ」です。十数年前から事業として、既に市内2ヶ所の保育園から廃食用油を回収し、石鹸づくりを行ってきているのですが、今後はさらに回収量を増やしていくとともに、その回収したものをドラム缶への移し替えやろ過作業を、福祉事業と一環として市が委託することになっています。

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↑ 先行モデルとして高津幼稚園でH23.4月から回収が行われています。高津幼稚園は、エコアクション21に全国で初めて認証された幼稚園。太陽光パネル・屋上緑化等取り入れ、環境教育にも力を入れています。

第2段階では、八千代市による全面的な拠点回収へ移行していきます。
まずは公民館や市役所などといった公共施設で回収ポイントを設け、平成24年度頃を目途に現在の資源ゴミ回収場所の利用へとつなげる計画です。商工会議所を通じて、商店街やスーパーなどからも回収できるよう進めていくことも検討されており、最終ステップである第3段階には、いよいよ大口排出元である食品製造会社や大手企業から、より多くの廃食用油を回収できる体制を整え、事業を安定させていくとのことでした。

ところで、実際に油を回収するときには、どのように出せばいいんですか?

『特に専用の回収ボトルなどは用意しません。ご自宅にあるペットボトルをよく洗って乾かしたものであれば、それに詰めてキャップをしていただければ結構です。未開封の油は、そのままの状態でお持ちください。 なおペットボトルなどは回収した先で、焼却ごみとして処理します。天かす等の不純物は出来るだけ入り込まないよう、油こし器で揚げカスなどを軽く濾してください。』
【持ち込める油】
なたね油、コーン油、ひまわり油、べに花油、ゴマ油、オリーブ油などの家庭から出る使用済み植物性食用油。未使用で古くなった油も可。混合も可。
【持ち込めない油】
エンジンオイルや灯油など石油系の機械油類、ラードなどの動物性食用油。飲食店や食品加工業など一般家庭以外の事業所から出る油脂類。

※八千代市清掃センターへの持ち込みは、月曜日~金曜日(祝日を除く)午前8時30分~午前11時40分、午後1時~午後4時。毎月第3土曜日(祝日を除く)も、前述時間で持ち込み可。
持ち込み時は、(1)免許証など(八千代市民であることを確認できるもの)(2)廃棄物処分申請書を持参する必要があります。⇒詳細はこちら

なるほど!ペットボトルが使えるのは良いですね。
サラダ油のボトルだと、一気に使い切らないことも多いのでどうするのかと思っていたのですが。とにかく自分でやってみないと分からないので、今度のどーんと祭りに持っていけるように、試しにボトルに詰めてみました!
⇒2011年10月15日(土)・16日(日)開催の八千代どーんと祭りの会場で回収を受け付けています!

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↑ サラダ油の空ボトルか、ペットボトル(1リットルでも何でも良いみたいです)を用意します。ここに使い終わって冷ました油を流し込むのですが、鍋から小さな口にこぼさず注ぎ込むのは至難の業。かといっていちいちジョウゴを洗うのも面倒なので、新聞を折った端を漏斗代わりにしてみました。

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↑ あら!いいじゃない!思ったより新聞の強度もあるし、漏れることなく入れ込めました。

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↑ しかし、最後の方で不純物がありすぎて避け切れない事態が発生。そこで、小さくちぎったキッチンペーパーを漏斗の中に敷き込む作戦に。これなら最後まで無駄なく注ぎ込めます!

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↑ 今回たまった油はこれだけですが、次回またお料理に使ったときに足していけばOK。

先日、NHKBSプレミアムで9月18日に放送された「宇宙の渚」を観たのですが、その中でCO2が引き起こす様々な現象を目の当たりにしました。CO2は大気が薄くなると温暖化ではなく気温低下を招くそうで、普通は雲が発生しない成層圏に“真珠母雲”という七色に輝く雲が出来ます。これが太陽光に当たると低温時に溜め込んだ塩素成分が原子状塩素に変わり、オゾン破壊を引き起こすと考えられているんですって。
この美しい雲は、近年ごく一部の限られた地域でしか観測されなかったのですが、どんどん観測範囲が広がっていて、この雲が出ると紫外線が大幅に増大するため、フィンランドでは真夏でも子供に長袖、サングラス、帽子を付けて外遊びが制限されてしまうほどなんだとか。
これは外国に限った話ではありません。
日本でも今年4月30日に、通常の1.5倍の紫外線が観測されたというのです。

すっかり「CO2削減」という言葉が慣れ過ぎている昨今、もう一度自分に出来ることから始めていかないと、近い将来自分たちの子供にもサングラスをさせて外へ出す時代がやってきてしまうかもしれません。

【追加】2012年8月1日
昨年7月から清掃センターで回収していた使用済み食用油を、平成24年(2012年)8月1日(水)から市内9公民館及び市役所本庁舎でも回収することになりました!
容器に満タンにならなくても大丈夫です。
逆に、古くなっても満タンになるまでためてから持参してもOK!
ぜひ天ぷら、から揚げを作った日は、捨てずにためてリサイクルを!!

★拠点回収 詳細情報
【回収場所】市内9公民館および市役所本庁舎
<入口付近に廃食用油回収の専用容器を設置>
・大和田公民館(地図
・阿蘇公民館(地図
・高津公民館(地図
・勝田台公民館(地図
・八千代台公民館(地図
・村上公民館(地図
・睦公民館(地図
<建物1階エントランスロビーに廃食用油回収の専用容器を設置>
・八千代台東南公民館(地図
・緑が丘公民館(地図
<新館2階クリーン推進課までお持ちください>
・市役所本庁舎(地図

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【持ち込める油】家庭から出る使用済みの植物性食用油(なたね油、コーン油、ひまわり油、べに花油、ごま油、オリーブ油など)
※ 賞味・消費期限切れなど古くなった油でも受け入れ可能です。
【持込みできない油】
・エンジンオイルや灯油など石油系の機械油類
・食用でもラードなど動物系の油
・飲食店や食品加工業など一般家庭以外の事業所から出る油脂類
【持込み方法】油こし器で揚げカスなどを軽くこした後、ペットボトル(よくすすぎ水気を切ったもの)に入れて、キャップをよく締めた状態で回収用の容器(缶、あるいはコンテナ)に入れてください。 未開封の油は、そのままの状態でお持ちください。
【問い合わせ】環境政策室・クリーン推進課 電話 047-483-1151(代表)

●NPOコミュニティひまわり 
千葉県八千代市八千代台東1-17-5
事務局/047-405-0565(担当:有馬富穂)
【関連ブログ】http://fujikazu.blog.so-net.ne.jp/
↑このブログで廃食用油回収についての最新活動状況が報告されています。
〔廃油回収についての問い合わせ〕
千葉県八千代市クリーン推進課/047-483-1151(代)
八千代市清掃センター/047-483-4521
〔参考資料〕
・千葉県八千代市地域新エネルギー・省エネルギービジョン報告書「廃食用油燃料化事業可能性調査」(H23.2月発行)
・環境開発工業(株)ホームページ(バイオ福祉再生重油について)⇒こちら

小さなお子さんがいる方なら、八千代市内のどこかで一度は「子どもネット八千代」という団体名を見たり聞いたりされているのではないかしら?
子ども達が人との関わり合いを通じて心豊かに育てられるような、特に文化的な体験をメインとしたイベントを数多く企画されていて、市内の子育て関連施設や公共施設などでもよくポスターを目にします。中でも音楽鑑賞や観劇などの“芸術体験”は、会員でなくても一般参加できるものが多いので、市内ママにも大変好評なんだとか!
今回は、八千代市1%支援制度対象事業のひとつとして行われた「民族歌舞団荒馬座 ぴーひゃらどん」という作品を、1歳9ヶ月のなび次男を連れて八千代台まで観に行ってきました。

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↑ 八千代台駅西口から徒歩3分の八千代台公民館。八千代台文化センターとの複合施設になっています。

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↑ 正面玄関を開けるとすぐ受付が用意されていました。子どもネット八千代の取り組みのひとつ「ミニぴょんぴょん」に所属されている方の受付のほか、一般向けの当日券も販売しています。

今回の「ぴーひゃらどん」は、1~2歳児向けの親子教室ミニぴょんぴょんでのプログラムのひとつとして用意された企画ですが、会員ではない私たち親子のような一般参加もOK!というのも、先日ご紹介した八千代市の制度「1%支援制度」を活用することで、参加者の幅を広げることが出来たからだそうです。子どもネット八千代さんが掲げる“支援を受けたい事業”というのが、まさにこの「アートスタート2011」への取り組みなんです。
⇒ 2011年06月15日 「1%支援制度」八千代市の市民活動団体支援金交付制度って?

そもそも子どもネット八千代さんは、1990年に「八千代おやこ劇場」として発足したのが始まり。
おやこ劇場(子ども劇場)というのは今から45年前、当時の文化作品には商業色の強いものや質の悪いものも多く、子どもへの影響を危惧した福岡のお母さん方が“本物の芸術文化に触れさせる機会を!”という思いから立ち上げた活動で、今や全国にその輪が広がっています。
この“良質な芸術作品を子ども達に鑑賞させる”という発想は、近年「アートスタート」という言葉によって注目が高まっています。聴覚や視覚といった人間の感性(五感)の形成は幼児期に育まれると言われますが、この大切な時期に子どもだましの作品ではなく、本物に触れさせることで感受性をより豊かに引き出すことが出来るというのです。
科学的な実証よりもずっと早かった、母親の感覚的な“育て”の意識には驚かされます!

2002年からは正式にNPO法人として「子どもネット八千代」と名称を改め、文化的な体験をベースとしながらも、四季折々のイベントで地域社会の輪を盛り上げたり、また乳幼児の子育て支援から中高生の親を対象とした交流会に至るまで、“社会的に公益な事業”というNPOの観点に立った幅広い活動を展開されてきました。
ただ、本物を見せるということは、プロをお招きするということ。
実際に子どもネット八千代さんでも、こんなお話をされていました。
『アマチュアの方でもボランティアのお父さんお母さんでも、一生懸命取り組まれている方は沢山いらっしゃいます。それでもあえて私たちは“本物に触れさせる”という観点から必ずプロの方にお願いするのです。仕事として日々の舞台をこなしている方は、やはり本気度が違います。子どもの目にはだましが通用しませんし、特にまだ席に座っていられないような1~3歳位の子は、つまらなければ必ず飽きて遊び出してしまうでしょう。
ただしその分、経費はかさみます。
けれども3年前から八千代市で導入された「1%支援事業」によって、参加費の負担を軽減することが可能になり、一般来場者も多くお招きすることが出来るようになったんです。』

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↑ 八千代台公民館1階にあるホールに敷物を広げて、親子座って観劇というスタイルです。椅子に長く座って我慢するより、これが1~2歳児には一番落ち着いて、安心していられるんですって。荷物や靴は周りに置いて、のびのび鑑賞タイム!

ぴーひゃらどんは、女性2名と男性1名が、太鼓や角笛のおはやしを会場内一杯に響き渡らせ、日本の春・夏・秋・冬の季節を彩る伝統的なお祭り光景を、楽器の音色や踊り、歌だけで再現していくという独特の世界観に包まれた作品でした。
セリフが一切無いので、逆に子どもたちは目に映るもの、耳から聞こえる音色という感覚だけで面白さを受け止められるのが魅力です。
なび次男は、最初大きめな初めて聞く音に戸惑う様子はあったものの、じーっと見入ったまま座って鑑賞していられたんです!しかも、なび次男だけではなくほとんどのお子さんが同じ状態!!
大勢の1~2歳児が集まるので、さすがに泣いたり走り回ってしまうことも多いだろうと思っていただけに、これはかなり奇跡的な状況です。やはり本物には、惹きつける何かがあるんですよね。
⇒ 民族歌舞団 荒馬座 ホームページ

途中、子供たちを飽きさせない工夫も。
昔ながらの手遊び歌で楽しんだり、大きくてキラキラした布を子供たちの頭上にたなびかせたり、電車ごっこのようにつながって少し歩き回ったりと、じーっとしていられない子供たちを上手に沸かせて最後まで興味を惹きつけていました。

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↑ さらに観劇後は、作品中に使われた水笛や傘を手に取って見たり、太鼓を順番に叩いてみたり!なび次男もなかなかバチを離しません。

1%支援制度がもっと広まれば、観劇の内容も今まで以上に充実出来そうですね!
今後はもっと大きな場所で大勢の方を招いたり、なんていうことも考えていらっしゃるんですか?

『実は現在の制度では、行った事業総額に対して半額までしか負担してもらえないことになっています。ですから35万円の援助を希望したいとすると、70万円規模の事業を行わなければなりませんから、この希望金額を今後増やしていけるかどうかというのは難しい判断なんですよ。』

全額負担は難しいかもしれませんが、せめて今の“倍額の事業”という規定が緩和されると随分団体側の負担が減りそうです。その一方で、援助に見合う事業がきちんと展開されるためにも、支援を受けようとする団体側の姿勢を正さなければならないと、子どもネット八千代さんはおっしゃいます。

『今のままでは、“税金の取り合い”のような状況です。選挙カーで名前を連呼するかのように、「この番号を選択してくださーい!」というアピールばかりが前面に出てしまっています。本来であれば、団体の日頃の活動の様子や、こういう事業がしたい!という内容を明確にして援助いただくべきなんです。一応6/15~8/15までの選択期間内に、市民の皆さんへ団体のPRをするイベントは設けられているものの、そこへ実際にいらっしゃることが出来る方はほんの一握りですから。
さらに言えば、実施した事業の報告についても市民に公開されなければならないと思います。』

そうなんですね・・・。
ちなみに市へ提出されている事業報告書やアンケート結果などは、次回の審査への参考資料に留まり市民は公開はされていないんですよね。もっと市が各団体の事業内容をアピールしたり出来ればとも思いますが。

『それではダメなんです!市に頼っていてはこの制度の意味がありません。そうではなくて、もっと自分たちの活動や1%支援制度そのものをご理解いただけるよう、私たち団体が自主的にアピールしていかなければならないと思っています。団体によって制度利用に対する温度差がかなりありますが、まずは「1%支援制度って何?」と思っている多くの八千代市民の方々に、一層の周知を図っていくことが第一歩ではないでしょうか。』

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子どもたちの未来を真剣に考えて、自分たちが今出来ることを着実に実現していこう!と活動なさっている子どもネット八千代さんの姿勢に感銘を受けつつ、今回の観劇会をなび次男と大変楽しませていただきました。
今年もまだまだ引き続き、こうしたイベントを予定されています。
ぜひお子さんとご一緒に「アートスタート2011」を体験してみてはいかがですか?

●特定非営利活動法人 子どもネット八千代 047-486-4699(月~金 10:00~17:00)
新事務所/千葉県八千代市村上4497-10-3(地図)勝田台駅から徒歩6分
【ホームページ】http://konet.ciao.jp/

八千代市内各所で広まり続けている東日本大震災への復興チャリティーですが、今回は入館料をすべて義援金に充てるという活動を行っている「やちよ絵手紙の森美術館」さんをご紹介します。

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↑ やちよ絵手紙の森美術館は、村上橋近くの交差点そばにあるアース・メイトさんの建物に隣接しています。

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↑ 駐車場も自転車置き場も完備。新川の散歩ついでなどにもふらっと立ち寄りやすそうな雰囲気です。

このやちよ絵手紙の森美術館は、瀧下白峰(たきした はくほう)さんとむつ子さんというご夫婦の作品が並べられています。むつ子さんは趣味の小説やエッセー、絵手紙が高じて多くの文芸賞を受賞するまでとなり、現在では京成バラ園でカルチャー教室の講師などをなさっているほど。一方、ご主人の白峰さんは白水書道会会長を務めていらっしゃる書道家です。
奥様が絵を、そしてご主人が文字をしたためるというスタイルで、数多くの絵手紙作品を生み出されてきたお二人ですが、今回の東日本大震災では大変心を痛められました。

『日々報道される数々の不安要因や、被災した方々の辛く過酷な状況を目にし、何か救済の手段がないものか?私共の美術館でも何か手助けできる方法を・・・と考えあぐねておりましたが、やはり絵手紙によって支援を!ということで、震災への「祈り」を込めた原画展を企画いたしました。3/23~6/26(月曜日休館)の期間中にお越しいただいた方からの入館料は、すべて義援金として被災地へお送りします。絵手紙を通じて心に不安や哀しみ、心配を抱えている方々へ少しでも心休まる時間を過ごして頂ければと思っています。』

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館内には、常設展示の作品以外に、今回のテーマ「祈り」を込めた作品約60点が展示されているそうです。これらの原画は絵手紙として加工されていて、購入することもできます。柔らかなタッチの温かな絵に添えられた言葉は、どれも被災された方々へ直接届けたくなるものばかり。

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↑ 裏面には、「3.11東北関東大震災復興支援チャリティー絵手紙原画展を開催いたします。期間中の入館料は全て義援金とさせていただきます。一人でも多くのご来館をお待ちしております。なお、被災者の方々に心よりお見舞を申し上げます」と書かれています。

やちよ絵手紙の森美術館は、毎月のように新しい作品が展示されているそうで、いつ見に行っても新鮮味があって癒されると評判の美術館。まだ訪れたことのない方は、この機会に募金をするというつもりで、一度足を運んでみてはいかがですか?
きっと、何度も立ち寄りたくなる素敵な時間が過ごせると思いますよ。

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東日本大震災復興支援チャリティー 絵手紙原画展「祈り」
【開催期間】平成23年3月23日(水)~6月26日(日)※月曜日は休館
【企画内容】震災への祈りを込めた原画約60点を展示。期間中の入館料は全て復興支援への義援金とさせていただきます。


●やちよ絵手紙の森美術館 047-487-6265
千葉県八千代市村上南2-16-25 東葉高速鉄道「村上駅」より徒歩15分

【開館時間】10:00~16:00
【休館日】月曜日及び毎月末火曜日(但し、月曜祝日の場合は火曜日が休館日)
※その他、夏季休館日(8/9~8/23)・年末休館日(12/25~1/4)
【駐車場】有り/無料
【入館料】500円
【ホームページ】http://www.geocities.jp/kokorono_fukei_1953/index.htm

先日の早耳情報で“9/19に「まるごみ'09」に参加されるそうですよ!”とご紹介したボランティア団体「ecomo八千代」さん。
⇒早耳情報はこちら「9/19開催!『まるごみ'09』八千代市は村上橋集合(2009年09月13日)」

ゴミ拾いをイベントの一環として楽しみながら取り組もう!ということで、毎月第一日曜日に八千代市内の各地で活動を進めていらっしゃるのですが、代表を務める村山さんがecomo八千代を立ち上げるきっかけとなった、千葉県各地で一斉に行われるゴミ拾いイベント「まるごみ」当日の様子をご紹介しましょう!

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事前にまるごみスタッフの方々が用意された「まるごみ'09」のぼりのもと、9時頃村上橋へ参加者が集まりました。今回のイベントに参加された一般の方は20名!それにecomo八千代のスタッフ12名を合わせ、総勢32名にてゴミ拾いが行われたそう。
中には小さいお子さん連れのファミリーもいらして、休日を家族みんなでボランティア活動に勤しまれるという素晴らしさ!

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スタッフの方から挨拶や本日の説明などが行われたあと、A班・B班の2グループに分かれて、いざゴミ拾いスタートです。

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歩道にはペットボトルの空や、カップラーメンの蓋などが落ちているよう。小さなお子さんも一緒に、目に付くゴミを拾いながら歩きます。

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↑ 歩道から川近くへ降りると、隅のほうにゴミが!

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新川沿いの遊歩道だけではなく、川に浮いているゴミも取り除きます。危険な作業ですが、腹ばいになって少しずつつまみあげるという地道な作業!

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一見キレイに見える一帯も、よくよくのぞき込むと雑誌などのゴミが溜まっています。手の届かない水底にも、恐らくさらに多くのゴミが沈んでいそう・・・。

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村上橋よりテニスコート側の歩道もゴミ拾い。ベンチの後ろには、やっぱりゴミ溜まりがあるようです。

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11時の終了時間に合わせて、スタート兼ゴール地点の村上橋付近で集めたゴミを分別・収集します。
今日拾ったゴミは、燃えるゴミ17袋・ペットボトル1袋・カン1袋・ビン1袋に、タイヤやサッカーボール、ヘルメットといった不燃ゴミ!

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↑ 短時間で、燃えるゴミが17袋も集まるだなんて・・・。

ゴミ拾いが終わった後は、子供たちのお待ちかね!「まちフェス」イベントが行われました。まちフェスは、県内で参加している各地域ごとによって内容が違うそうですが、ecomo八千代ではテントの下でカキ氷や綿菓子を提供したり、ジャンケン大会で賞品をゲットしたりして盛り上がったとか。

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↑ スタート地点にスタッフによって設置されたまちフェス会場。参加者の方々が、イチゴやメロンなどのカキ氷を頬張ります。

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↑ スタッフとジャンケンをして、賞品争奪!

早耳情報には、当日参加された方からコメントもお寄せいただきました。
『本日、まるごみ'09に息子と二人で参加してきました。ecomo八千代の村山さんや大学生の若い人達を中心に1時間のゴミ拾い。大変だったけど息子も私も楽しみながらイベントに参加できました。
遊歩道は比較的に綺麗だけど、新川の中は・・・・・。
一緒にゴミ拾いをした方と「八千代のシンボル、新川を綺麗にしたいね」と真顔で話してしまいました。
ゴミ拾い終了後はじゃんけん大会、残念ながら賞品は当たらなかったけど、参加した人達はみんな笑顔、笑顔。
大勢の人達と行動するって、やっぱり楽しいですね。定例のゴミ拾いにも是非参加したいと思います。』

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今後も引き続き、毎月第一日曜日にゴミ拾いイベントを実施される予定のecomo八千代さん。「もっとメンバーを増やして、ぜひ地元八千代でのゴミ拾い活動を広めていきたいです!」とのことでした。
ぜひお気軽にお問い合わせしてみてはいかがですか?

●ボランティア団体 ecomo八千代 
代表/村山 雅典
【ゴミ拾い開催日】毎月第一日曜日
【参加対象】誰でも参加OK!お子様と一緒に家族で参加されている方も増えています。
【まるごみ'09活動 参加方法】
参加申込はメールフォームから送信いただくか、又はecomo八千代事務局 090-4424-6529(担当:村山)へ電話にてお問い合わせください。
※メールは折り返し事務局よりご連絡差し上げます。
【ホームページ】eomo八千代 http://marugomi.jp/yachiyo/、『まるごみ'09』http://marugomi.jp/

〔関連レポート〕
2009年09月13日 9/19開催!『まるごみ'09』八千代市は村上橋集合

子供を連れて市内の公園を回っていると、何のメンテナンスもされず塗装が剥げてサビサビになっている鉄棒や、木がささくれだって危なそうなシーソーなどをときどき見かけます。
最近は財政難の関係もあって、老朽化してしまうと補修ではなく撤去される傾向がある公園の遊具。メンテナンスしきれず危険な状況を放置するくらいなら・・・と納得はするものの、やっぱり子供たちにはひとつでも多くの遊具を残してあげたいという思いは拭い去れませんし、どの公園にも歯が抜け落ちたように不自然な空間が増えていくのはいたたまれないものです。

『塗装が剥がれると、そこから侵食して劣化が進んでしまいます。鉄の部分だけではなく、ブランコやシーソーなど木製の部分も含めて、ペンキを塗り直すだけで撤去せずに十分利用できるようになるんですよ!』
そうお話されるのは、平成20年3月に立ち上げられたという建築塗装部会「匠塗(たくと)」会長の村山さん。今回は、匠塗の皆さんがボランティア活動の第一歩として、11月30日(日)に村上の七百余所神社と宮内公会堂の間にある児童遊具を塗り替えよう!という活動を行うとのことで、その様子を拝見しに行ってまいりました。

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この日はしばらく振りの晴天!・・・ということで実は皆さん、せっかくの作業日和だった現場を置いて、ボランティアに集まってくださったんですって!仕事を終えてから集合する方もいるほどお忙しい中、朝8時にはすでに公園内の各持ち場へとついて、早速塗り替え作業に取り掛かっていらっしゃいました。

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匠塗に参加しているのは16社ほどの企業で、八千代だけではなく千葉の各地からいらっしゃっているそうです。
『会長の自分が八千代市の会社なので、まずは会長の地元から!ということで第一回目のボランティアは宮内公会堂裏の公園を選ばせていただきました。メンバーには八街や柏、市原、我孫子など千葉県にある様々な塗装会社の人間が集まっているので、今後は八千代以外の地域でも貢献できればと考えています。そうそう、今日は埼玉から来てくれた方もいるんですよ。』

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ボランティアを行うためにこの団体を結成したのかと思っていたのですが、本来の目的は塗装職人同士の交流を図るためなんだそうです。
『今まではやっぱりライバル意識みたいなものもありましたし、なかなか会社の枠を超えた横の繋がりを持てる機会が無かったんです。そのため技量のレベルや価格、扱う素材などの基準が曖昧で、各企業ともバラバラになっていることを懸念し始めまして。そこで、主に千葉県内の塗装会社で活躍している40歳位までの人間を集めて“匠塗”を立ち上げ、情報交換はもちろん技術や材料などの知識について勉強会を開催するなどして、“信頼できる塗装職人”を目指し切磋琢磨する場を設けたのです。』

実際のところ、塗装会社によっては資格を持っていない方が作業を行うケースも少なくないらしいのですが、この匠塗に参加する条件として「国家資格である“一級塗装技能士”を習得あるいは取得を目指して頑張っている人」であることが最低条件!さらに、一番働き盛りで活動的な40歳位までの若い人たちによる集まりということで、団体ならではの技術とパワーを地域の皆さんに少しでも貢献出来ないか?と思い至り、こうしたボランティア活動も定期的に行うことになったんですって!

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今回この宮内公園に決めたのは、通りからよく見える割に塗装が剥げてしまって目立ったからだとか。確かに、紅葉が大変美しい盛りになっていますが・・・すっかり錆びで覆われてしまった遊具のせいで、何だか近寄りがたい寂れた雰囲気に。キレイになれば、その分アピール度も高そう!
『市に直接許可を得ようとすると時間がかかりますので、八千代社会福祉協議会にご協力いただき管理している公園のリストを挙げてもらいまして、その中から選びました。』

参加しているメンバーの半分以上が、お子さんをお持ちの方ということもあり、公園遊具の劣化については皆さん気にかかっていたようです。そればかりか、最近では小学校の遊具ですらペンキの塗り替えが行われない現状だそうで、今後は教育委員会を通じて学校にもボランティアの手を広げていきたいとの構想をお持ちでした。

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さて、その塗り替え作業の様子ですが、私はペンキ片手にいきなり塗っていくのかとばかり思っていたところ、始まったのは気の遠くなるような磨き落とし作業!
錆びついたブランコのチェーンや鉄棒、まだら模様になっている古いペンキなどを手作業でひたすら削ぎ落としていきます。
『昔のペンキというのはペラペラに剥げてきてしまう性質があるので、まずこれをきれいにはがす作業から始めるんです。家でペンキを塗り直した時などに経験があるかもしれませんが、古いペンキをはがさず上から塗り直してしまうと、すぐにまためくれてきてしまうのはそのためです。』

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木で出来たシーソーなどは、取り外して横向きにしながら表面を電動工具で加工したりと、さすがプロ集団!ボランティアの度を超えた、本格的な作業が繰り広げられていました。

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しかも人数がすごい!
これでもまだ匠塗のメンバー全員ではないそうなんですが、お揃いのジャンパーを着た方々が、ひとつの遊具に2~3人ついて作業していました。これなら一日であっという間に塗り終えることが出来そうです。

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さて、ここで私は一度帰宅いたしました。
夕方頃に完成する予定とのことだったので、16時頃に再び公園へ!
八千代社会福祉協議会さんから「仕上がりの色は匠塗さんにお任せします!」とお話があったそうですが、どんな色にするかは実際塗るときに相談して決めるとのことで、朝の時点ではお伺いしていませんでした。

どんな色の遊具に生まれ変わったのかしら???

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すごい!あのもの悲しい雰囲気は一体どこへ?!
この一角が、幼稚園の園庭にでもなったみたいです。

ポールは淡い感じのクリーム色に近い黄色、チェーンは柔らかい青、木製部分はもっと優しいクリーム色、そして取っ手部分は薄いピンクに統一されています。
『子供が使うものですから、あまり原色に近いようなものより優しい雰囲気になるようどれも白を多めにしてみました。実は淡い紫色という声も多かったんですけれどね・・・へへへ。意見を通させてもらいました!』

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ちなみに、本日使用されたペンキは、塗料メーカートップクラスの「日本ペイント」さんがボランティア活動に賛同してくれて無償で用意してくれたものだそう!ペンキを作る際に色が違ってしまったものが使えず余ってしまうらしく、そうしたものでよければということで、今後の活動についても協賛してくれる予定だとか。

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今回のボランティアは第一回目ということでしたが、初めての活動についてご感想をお伺いしてみました。
『いつもは仕事ですから、依頼主の希望などもありますし自由に作業することは出来ませんが、今回はお金も絡みませんし自分たちの好きなようにこだわって出来る楽しさを味わえました。
こうして塗り直せば、子供たちが座る座面や頻繁に手が触れる場所でなければ約8年程度は維持できるはずです。これなら撤去されるどころか、再び子供たちが沢山遊びに来てくれるのではと思うと、大変楽しみですね。』

今後は2~3か月に1回位のペースで、こうした塗り替えのボランティア活動を続けていければとのことでした。また、この活動によって地元の方々に建築塗装部会「匠塗」を広く知っていただき、信頼していただける塗装職人ということで仕事につながればこれ以上のことはないとおっしゃっていました。

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立地的にも生い茂った木々に囲まれているせいか、何となく暗い印象でしたが、塗り替えられただけですっかり周辺まで明るい雰囲気になりました!通りがかった小学生の男の子たちも、わー!早く遊びたいー!と声を揃えて目を輝かせていましたし、こうした子供たちが安心して遊べる場所づくりのボランティアは何にも代えがたい達成感があるようです。

今は丁度紅葉も楽しめますし、皆さんも匠塗の方々が手掛けた公園へ足を運んでみてはいかがですか?
今回のボランティア活動の様子は、J:COMさんで12月8日(月)~14日(日)の1週間放映が予定されているほか、地域情報誌のウキウキさんでも取り上げられることになっているそうです。
ぜひそちらもチェックしてみてくださいね!

●建築塗装部会 匠塗(たくと)
会長 村山喜信 〔(有)共栄塗装 047-459-3677〕
※今回の塗り替え場所/宮内公会堂裏の児童遊具(地図

【今回のボランティアに参加した企業一覧】
(有)共栄塗装 047-459-3677 千葉県八千代市桑橋868-4
上田塗装 043-445-4799 千葉県八街市砂706-31
CMA千葉工事部 千葉県我孫子市布佐平和台7-3-17
(有)市原ペイント 043-641-7161 千葉県市原市能満596-1
(株)共伸建装 043-259-6242 千葉県千葉市花見川区作新台
鈴木塗装 千葉県佐倉市王子台5-4-13
(有)土澤塗装店 047-444-7211 千葉県鎌ヶ谷市鎌ヶ谷3-8-25
(有)ハウスリメイク 043-258-9351 千葉市花見川区三角町253-2
京葉ホーム 043-463-0884 千葉県佐倉市井野143-5-4塚本ハイツ203
冨田塗装工業 043-421-3872 千葉県四街道市千代田
瀧島塗装 048-950-5077 埼玉県三郷市彦成4-2-10-507
(協力関係業者)
小林シーリング 047-482-5451 千葉県八千代市勝田台2-31-32

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