八千代ナビ!八千代の暮らしレポート

私達の住む八千代市って、どんな街並み?どんな施設があるの?どんな改善するべきことを抱えているの? 一市民として、子どもを持つ母として、働く女性として、八千代市に在住する「八千代ナビ」の管理人やちなび子が、八千代の暮らしについて一般庶民の視線でレポート!

カテゴリ:八千代の街並み > 公共施設

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7/1オープン初日の午後、なび長男と八千代私立中央図書館に行ってきました!
この日は朝から小雨が続いていて、外観などがうまく撮れなかったので・・・
ほぼほぼ工事が終わった頃の写真で、位置確認・・・。

↓ 八千代市総合運動公園野球場の向かいあたりです。ゆらゆら橋の目の前!
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↓ 駐車場は260台!有料です ⇒詳細はこちら
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「県立八千代広域公園駐車場」と称されている敷地内の駐車場を利用したのですが、さすが台数を数字で見ていた印象のとおり、半端なく多くて停めやすい!しかも、駐車スペースの中に通路が多いので、停めてから子ども連れで向かうにも危なくない!
考えられたレイアウトです。
(ひとつ言えば、出るときにややルートが少し分かりにくくて迷ったんですけれど・・・)

駐輪場は無料で、正面口から向かって左側、川のほうにスペースがたくさんあります。
スクーターなども停まっていました。
車は4時間300円かかるので、晴れてるときは頑張って自転車で来ようかな・・・。

そうそう、まだ敷地周辺の歩道は工事中。
入口の丁度「村上橋」のバス停があるところなんて、歩ける部分が全然無いのでまだちょっと危ないです。

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徒歩や自転車で来る場合も、新川沿いの通路から入るところもまだ整備途中で通れません。川沿いからは何か所も出入りできる通路が作られるようですよ!

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あとは、イズミヤ方面の住宅街から入るルートも整備中の様子。
丁度、正覚院の前あたりの道路から歩いていけるようにしている最中のようです。どこもまだ行き止まりで、しばらくはアースメイト前の正面入口まで回り込む必要があるようです。

↓ すぐ裏には陸上競技場。柔らかい素材で出来た赤い歩道で続いています。
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↓ こちらが建物の正面口!
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まず表から目に入るのが、入口左のラウンド状になったガラス張りのフリースペース!
ここは飲食可能で、誰でも自由に利用できます。
喫茶フリースペース「アルトマーレ」というお店があって、軽食やコーヒー、アイスなどが販売されているんです。

話が前後してしまうけれど、帰りにここでアイスを食べていったんですけれども。
ここのアイスは、道の駅やちよのプチシャンテリーなんです!
しかも、お店の右側のショーケースにすっごく美味しそうなケーキが並んでいる!!と思ったら、緑が丘イオンの向かいにある、理容室ゴリスタさんのお隣りに出来たケーキ店「ラ・シエスト」さんのなんですってー!
食べログ⇒ http://tabelog.com/chiba/A1202/A120204/12031983/

↓ なび長男は抹茶アイス。
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さてさて、話を戻しまして・・・入館したところから。
新しい建物の良い香りー!
ここ、都内の施設!?って思っちゃうくらい、八千代らしからぬ?すっごいおしゃれな空間です。
真っ白な壁の一角にシンプルな中庭が見えるんだけど、それが丸見えじゃなくて透けガラスで白のグラデーションがかかって。
空間の広がる演出が素敵すぎ!

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八千代市市民ギャラリーって、どういう風に使うんだろう?って謎だったんですが、最初に提案されていたとおり星襄一さんの版画が常設展示で公開されているほか、小さな展示室やフリースペースで、いろんなワークショップが開催されているんです。
事前予約なしで、その時間に集まった先着順で参加できる講座タイプや、好きな時間に参加できるワークショップタイプのものなどいろいろ。
なび長男は、「絵本の世界を紙芝居にしよう」というワークショップにくぎ付け!!
好きな絵本を題材に、いろんな素材を貼ったり、絵や色を描き込んだりして紙芝居をつくるというものらしく、さっそく参加することになりました。

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参加費は500円。首から下げるかわいいカードをもらえて、期間中いつでも何回でも参加できるそう!
声をかけると、奥の事務室まで案内されて、氏名や住所など簡単な申込書を書いて支払いを済ませました。
支払いに関しては、すべてこの事務室で行うそうです。
(実は次の日、なび次男を連れて行ったんですが、講座の場所で支払いを済ませることができました。ここら辺の運用は今後調整されそう?)

こういったイベントは、当面はオープニングイベントとして企画されていますが、今後も常に開催していく予定だとか!パッときて、いつでも何かに参加できる環境が近くに整っているなんて!!
今まで八千代にこんなとこあった?!

↓ 明日はスケッチ教室もあるんだ!
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そんな誘惑を抜けると、いよいよ奥に見えるのが図書館!!
すぐ左には、ガラス越しに子ども向けの書籍スペースがみえます。
素敵すぎる!!
素敵すぎる!!

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そして、こちらが図書館の入口!

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出入り口のゲートを抜けると(このゲート、通り抜けるたびに緑色に淡く光るの。人数のカウント?未貸出本の管理?どっちかしら?)、右には本の返却口があります。
今まではカウンターへ直接持ち込んだけど、ここは1冊ずつ中に入れて返すんですって。
CDやDVDは直接カウンターへ返却します。
返却口へ入れた本は、中ですぐに返却手続きをしてくれているそうです。

ちなみに、出入口のすぐ右側にも返却用のブックポストがあり、一応閉館時じゃなくても利用できるそうですが、回収時間が決まっているので「返却期限が過ぎてる本を返した後にすぐ借りたい!」なんて時に入れてしまうと、次が借りれないかも!
※ただ、車で来た方は少しの駐車時間でも料金が発生してしまうので、市は「駐車場ゲート前のロータリーに停車して、図書館入口にある返却ブックポストに入れてください」と促しているとのこと。本当はドライブスルーのように降りなくても返却できるものを用意する予定だったそうですが、オープンに間に合わなかったとか。

⇒7/2付東京新聞で記事になっています「八千代の中央図書館オープン 駐車場ちょっと止めても300円」


左側に曲がると児童図書エリアが広がります。
背丈が低めの棚には、たくさんの紹介本が立てかけてあったり、その本棚も面白い形になっていて、どこかのセンスの良い本屋さんのような、あそび場のような、とにかく子ども心をくすぐるレイアウト!!
大人が通り抜けるには低すぎる棚に囲まれた、迷路のような棚にちりばめられた絵本や児童書の数々。わかったさんやこまったさんのシリーズの充実具合にビックリ!
通路の間には、大きなパステルカラーのソファーが置かれていて、とても素敵な一角です。

このスペースの中ほどには、こども専用のレファレンスがあるんです。
どんな本が借りたいのか、どんな調べものをしているのか、など、やっぱり大人のレファレンスには気軽に聞けないよね。いいわ、こういうサービス!

奥には「おはなしのへや」があって、丁度おはなし会が開催されている最中でしたが、そちらの様子もガラス越しで見えるので、閉鎖的じゃないし外からパッとみて子どもたちも参加しやすそう!
子どもテラスもちらっと覗きましたが、なにやらシャワーなどの水設備が・・・(しかもデザイン性の高いかわいいコーナー!)。
パンフレットには、天気の良い日は外にテーブルが出て、外で子どもたちが本を読めますとありますが、イベントも企画されているみたい!(ちらっと聞いたところだと、なんか絵が描けるとか何かデザイン的なイベントに使われるとか??定かではないんですけど・・・)

一般図書コーナーの間に、本当にたくさんあるのが椅子とテーブルのスペース!!
グループで使えるタイプだったり、気楽に一人でつかえるタイプだったり、その形はさまざまで、とにかく数が多い!!
びっくりすぐほど多い!!!
雲形テーブルには、高学年くらいの子どもたちが資料をみながら何か作業をしてるし、もっと小さめな丸テーブルでは、ドリルを持ち込んだ子どもたちが、宿題かな?勉強しているし。
本を読む子、お母さんを挟んで勉強会になっているファミリー・・・と、もう、まさに、八千代の学習の場って感じです。

新川が見える窓辺には、ずらーっと読書席が並んでるんですが、ひとつひとつにちゃんと手元用のライトがついてるんですよ!!しかも、座るとどこからともなく、鳥の鳴き声や川のせせらぎが聞こえてくる・・・!!!

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なあにここ!?ほんと、めっちゃいいじゃん!

そうそう、パソコンの持ち込みは第2学習室以外はどこでも使用してよいようです。
電源を使う場合は、第3学習室。各テーブルの下にコンセントがありました。
この第3学習室は図書館の一番奥にある階段を上がったところにあるんですが、陸上競技場を見下ろす景色が広がっています。
学習室には音が無いので、シーン・・・とした無音の空間。
私は少しざわついたところの方が落ち着くので、川の読書席(反対側は森の読書席になってる!)に入り浸りました。

第1と第2の学習室も、川の読書席も、どこも大きな窓に向かって机があるので、勉強がはかどりそう!!!
7月以降、やちなびの更新頻度が増えたら、あー、なび子は図書館浸りなんだなぁと思ってください。


本を借りたのですが、自動貸出機があるんです。
これがまたすごい!!
①借りたい本を前にある青いボードの上に「全部重ねる」。
②図書利用カードのバーコードを読み込ませる
③借りたい本の冊数をタッチパネルで入力する
すると勝手に、全部の本の名称が出てくるんです!!!
どこで読み取ってるの?!
どんなシステム!?
それでOK押せばもう借りられちゃうんです。

どんな作りになってるの、これ??

数時間だけの滞在でしたが、下校後の小学生が子どもたちで来ていたり、帰り際に中高生らしいお兄さんたちが来館していたりと、まさに文化的な施設というに相応しい様子で一杯でした。
ちょっと外構の草ボウボウが気になりましたけれども、今後また整備されていくのでしょう。

ホントに、とっても良い施設が八千代に出来たわ!!
有り難く沢山利用させていただきます。

●八千代市立中央図書館 047-486-2306
●八千代市市民ギャラリー 047-406-4116
千葉県八千代市村上2510番地(地図⇒アクセス詳細はこちら
(電車)東葉高速線「八千代中央駅」下車徒歩約15分、「村上駅」下車徒歩約10分
(バス)東葉バス 行き/八千代中央駅発⇒村上橋下車〔米本団地行(宮内経由)〕、帰り/村上橋⇒八千代中央駅〔八千代台駅行き・八千代医療センター行き・八千代中央駅行き〕
※どちらも所要時間は約5分。
【開館時間】図書館/10:00~19:00(火~金)、9:00~18:00(土日祝)、市民ギャラリー/9:00~20:00
【休館日】月曜日(祝日のときは翌平日)、年末年始
※図書館は、館内整理日と特別整理日は休館になります
【駐車場】有り/260台・有料「県立八千代広域公園駐車場」
※県民の日(6月15日)のみ無料
【ホームページ】http://yachiyo-library-gallery.jp/

〔関連レポート〕
2015年4月10日 県立八千代広域公園の図書館もうすぐ・・・(八千代フォト)
2012年12月26日 「八千代中央図書館&市民ギャラリー」の詳細情報と八千代市財政について

最近、市内各地でいろんな工事が進んでいますよね。

長期にわたって取り組まれてきた新川周辺整備。
今までは道路の修繕・改築や、橋梁の塗り替え、改修工事などが進められてきましたが、平成24年度に入ってからは詳細設計などを終えた建物関連の事業が、続々と工事へと移ってきています。

この12月に行われている市議会の第4回定例会でも、茂呂剛議員から新川事業についての進捗状況や今後の見通しについて質問が出て、都市整備部長から詳しく説明がありました(⇒12/7一般質問の様子は市議会HPで録画が観れます)。
それによれば “ふれあい農業の郷” では農業交流センターの本格的な工事がスタートしていたり、勝田台中央公園や辺田前2号などの公園整備も着手していて、今度の3月末には共用が始められる状況にあるようです。

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↑ 左はふれあい農業の郷予定地を、対岸の道の駅から撮影(H24.10月)。右はH24.11月頃から本格的に工事が始まった辺田前2号公園の様子です。

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↑ 勝田台中央公園やこの辺田前2号公園などには、地域住民の災害時避難先としての要素も取り入れられていて、遊具の他にもかまどベンチや防災パーゴラなども設置されるんですって!(写真は辺田前2号公園の整備予定図)


今回はそんな数々の「新川周辺地区都市再生整備計画」の中でも、特に気になっていた八千代市中央図書館・市民ギャラリーについて、どのような計画が進められているのかを具体的にご紹介していきます。
※今までの市議会定例会の内容や、八千代市ホームページにリンクされている関連資料などをもとに調べたものをまとめました。現時点で以下内容の正確性は確認済ですが、今後計画に変更が出る箇所もあると思いますのでご了承ください。

一応、基本情報をさらっとお話しておきます。
2015年(平成27年)にオープンが予定されている中央図書館。
私が八千代へ引っ越してきた十数年前当時から、県立図書館が出来るなんていう話が噂されていたのですが、なかなか実現に至らなかったんですよね。新川整備事業に国から交付金が受けられることが決まり、県に頼ることなく市が図書館設立を進められる財源が得られて、いよいよ具体的な話となりました。
実際、図書館新設については、5年前に市内住民から3万6千もの署名が集まったほどニーズの高いものです。

場所は、八千代中央駅と村上駅の中間あたりにある「むらかみ橋」のすぐ脇。毎年ふるさと親子祭の花火打ち上げ場所になっていたところに建設されます。 ⇒地図
3.11の東日本大震災では液状化による地盤の脆弱性が指摘されましたが、震災の際に液状化したのは表面に整地していた土壌部分だけで、地下は大変強固な地盤であることが地質調査の結果分かりました(現在着手中の地盤改良工事は、総合グラウンドの部分だけで済んでいます)。図書館の建物には免震構造(=地震を耐えることができるが揺れを抑えられない耐震ではなく、振動を建物下のダンパー等によって吸収し揺れをほとんど感じさせないのが免震構造。図書など展示品の落下・転倒を防ぐ。)を採用しているため、今後の震災対策には万全を期してるとのことです。

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↑ 八千代市中央図書館・市民ギャラリーの複合施設の完成イメージ

そもそも、現在4か所ある図書館の充実を図るのではなく、なぜ新たに作らなければならなかったのか?
その理由もまとめておきましょう。

・蔵書数の限界
八千代市内にある図書館は、蔵書の充実を図ろうにもすでに書庫が一杯でこれ以上増やせない状況になっています。具体的には、緑が丘図書館 約12万5千冊、勝田台図書館 約10万8千冊、大和田図書館 約10万5千冊、八千代台図書館 約8万5千冊の蔵書数があるのですが、新しく本を追加する余力が無いというのです。
とは言え、近隣市の地域図書館と比べて蔵書規模が小さすぎるわけでもなさそう?と思って調べてみましたら、近年ではそれらをバックアップする“中央図書館”の整備が各市で広がっているんですって。

全国の公共図書館蔵書数ランキングでも上位に入ってくる市川市や浦安市、千葉市といった70万~80万冊規模の中央図書館を引き合いに出しても話にならないけれど・・・、例えばお隣りの佐倉市では一足早く図書館整備計画が進められていて、平成3年時点で市内図書館全体の蔵書数が約20万冊規模だったのが、平成15年には約65万冊まで整備され、2年後の平成26年度には90万冊まで増やすことを目標にしているとのこと。この躍進には蔵書可能な施設の整備がすすめられてきたことも要因のひとつで、特に規模の大きい志津図書館には八千代市からの利用者が多いことも知られています。八千代市民に図書館を利用したいというニーズはあるのに、それに耐え得るコンテンツの充実が図れず、利用者が市外へ流出しているわけです。

既存の図書館には貴重な資料も多く、より多くの方に八千代市の図書館を利用してもらうためにも、圧倒的な蔵書容量を持つ中央図書館が不可欠ということでした。既存の地域図書館の負荷を軽くしてあげることで、スペース的にも余力が生まれ、ニーズに合った書籍を多く置くことができたりと、再生化にもつながることが期待されています。
ちなみに、市内4カ所にある図書館のうち、とくに大和田図書館と八千代台図書館の老朽化・耐震については心配されるところではありますが、単独での建て直しや耐震工事、蔵書拡大に耐え得る設備改善について検討されたものの、通常の予算内で財源を確保するには大変厳しい状況でした。早急に対応するには、国からの補助金対象となる新川事業に盛り込んで、新設した中央図書館側からサポートするほうが現実的だったようです。

・子供向けスペースの不足
既存の図書館では、親子がゆっくり図書に触れあう環境が整備しきれていません。
利用者間でのクレームで最も多いのが、子供が騒いだり駆け回ったりと子供が発する騒音だそうですが、一番新しい緑が丘図書館でようやくそれらしい設備を整えられたものの、勝田台図書館ではワンフロアに児童と大人向けの図書が並んでいるため、周りを気にしながらゆっくり選ぶことが出来ない状況です。八千代台図書館は2階に児童図書がまとまっているものの、3階建ての建物を行き来しなければならないことや、同じく大和田図書館も児童図書は別館にあるので多少賑やかにしても問題ないものの、児童書が1階・2階と分かれているので使いづらさが指摘されています。
八千代市は「子どもの読書習慣の形成には、家庭の中に本がある環境を作ることが大切」という理念のもと、子どもの発達段階に合わせた本の選び方や楽しみ方の情報を得るためのサポートに傾注しています。
平成24年4月からは、八千代市在住のすべての赤ちゃんに絵本パックを贈る「ブックスタート事業」が始められました(H24.4月生まれ以降が対象です)が、これも家庭から本に触れ合う機会を増やしていく後押しにと企画されたものです。
中央図書館では積極的に図書館を利用してもらえるように、絵本や児童書の充実はもちろんのこと、乳幼児を連れて来館しやすいようなレイアウトや設備充実を図ります。

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↑ ブックスタートパック見本。図書館で借りる大きめな絵本もすっぽり入る布バッグ付です。赤ちゃん広場で配布されますが、その場で読み聞かせを行うほか、乳児期から家庭での絵本を介した親子の言葉かけやスキンシップの大切さを伝えます。
⇒詳細はこちら(H24.9.5 広報やちよから)

・八千代中央駅及び村上駅周辺地域向けの図書館整備のため
平成10年頃から八千代中央駅や村上駅周辺の都市計画化が進められるにつれて、人口が急激に増加していきました。この地域をカバーする図書館が現在も無いため、整備が急がれています。今回の中央図書館までは両方面からの遊歩道などが整備されたうえで、このあたりの地域図書館としての役割も担えるような立地に建てられることになりました。

・学習スペースの不足
八千代市では、受験勉強などで利用したくてもじっくり自習できる場所が少ないという問題を抱えています。緑が丘図書館は設備が整ってはいるものの学習スペースが少なく、1階にある28席の自習室は入れ替え制(予約をして時間交代制)で、落ち着いて勉強ができない状況です。八千代中央駅にある生涯学習プラザも、1階フロアではいつも満席だったり、人通りもあって落ち着いて作業する環境としてはやや不足気味。勉強場所を求めて、学生は郷土博物館にまで足を伸ばして自習の場を求めている状況だとか。
既存の図書館に学習スペースを確保しようにも、先の蔵書スペースの問題や、そもそもの建物の狭さなどが邪魔をして、どうにも工夫しようがないのが現状です。

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↑ 左は緑が丘図書館の自習室。予備校の一室みたいな雰囲気です。右は勝田台図書館にある学習スペースですが、一般向けの席は写真に写るこのテーブルしかありません。

ようするに、市内に既存する4つの図書館の設備や機能に限界がある、ということなんです。
今回の中央図書館にどのような機能を持たせるか?どうレイアウトすれば良いのか?など、詳細設計に携わる方々の中心には、過去に市内全4か所の図書館で勤務されてきたご経験をお持ちの方もいらっしゃると市議会でも話が出ていたようです。
現場で感じてきた問題点が分かっているからこそ反映できた、その具体的なプランとは?!


八千代市中央図書館の特長について

この施設は、図書館と市民ギャラリーとの複合施設です。
誰もが気軽に利用でき、使いやすく快適な生涯学習施設となるよう企画・設計されたものです。
敷地面積は1万500㎡、延べ床面積は約6,089㎡で、そのうち中央図書館の専有面積が約3,605㎡、市民ギャラリーが約1,057㎡、共用部のエントランスなどが約1,426㎡となっています。
建物は地上2階建てですが、基本設計のコンセプトのひとつに「利用者スペースをワンフロアにして、使いやすさを重視すること」とあるように、図書館も市民ギャラリーも同じ階で全て行き来できるように工夫されています。

1.図書館へのアクセスについて
駐車場がすぐ目の前に約260台分、駐輪場は約175台分用意されています。ここは総合グラウンドと共用で、送迎用の大型バスが入れるようなロータリーも。
2015年度にオープン予定の図書館なので、市内巡回バスなどのルートに加えたりといったアクセス向上のための施策については今後検討されるようです(ちなみに女子医大のときもオープンした後にバスなど交通関係が整備されましたし、そのあたりは恐らく議会の話題にものぼるとみられています)。
駐車場から建物へのルートも、車イスやベビーカーでも問題なく入れるように段差をなくすなど配慮されています。

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2.圧倒的な蔵書数で地域図書館をバックアップ
中央図書館の収容可能冊数は、開架(=実際の本を見ながら探すことができる本)約17万冊、閉架(=目録などを元に資料を探す方式。一般利用者は実際に書架の間を歩いたり、本を直接手にとったりしながら探すことはできません)約29万冊の、合わせて約46万冊となっていて、現在の4つの地域図書館の蔵書冊数の合計とほぼ同じになっています。
中央図書館がオープンした後には、市内の4つの地域図書館との連携強化が行われていくとか。
各図書館それぞれで保管していた特徴的な図書(例えば、大和田図書館には八千代市の郷土資料が沢山そろっていたりします)など、特に調査・研究に役立つ専門書を中央図書館に集約することで、地域図書館との役割分担を行います。それによって従来のようにいくつもの図書館へ足を運ばずに済むようになるだけではなく、スペース的に余力が生まれた既存図書館ではニーズに沿った新しい本を増やしやすくなるなど、図書館全体のサービス向上につながります。
もちろん中央図書館に集められた書籍は図書館間での物流便によって各所へ配布できるので、より一層豊富な蔵書の中からチョイスできるようになります。


3.子供向けに考えられたスペース満載!
0歳の赤ちゃんでも寝転がりながら絵本に触れられるような、騒がしくしても気にすることなく本に親しめるスペースが用意されました。近隣市の図書館で人気の、“読み聞かせ”をしても周囲に迷惑がかからない部屋があったり、外のテラスに出て自然を感じながら本に触れられたり。絵本は手に取りやすいように表紙を見せて置ける棚を揃えたとか。
乳幼児の親子でも過ごしやすい環境を整えるため、児童用トイレや授乳室も用意。
親子はもちろん、子供だけでもじっくりゆっくり過ごせる工夫が満載です。


工夫1 一般図書と動線を分ける
使いやすさを考えてのワンフロアに広がる図書館ですが、子供向けと一般向けのエリアを動線によって自然と区切られるレイアウトになっています。図書館の貸出確認ゲートを入って一番近くの、すぐ左側に子供が利用するゾーンがあります。一般図書から一番遠い場所に乳幼児用の絵本が置かれ、だんだんと知識関連の本、ティーンズ向け、と成長につれてスムーズに一般図書へと手を伸ばしていけるような配慮も。
ちなみに一般図書との境は雑誌コーナーになっているので、多少の騒音も許容範囲内?
完全に部屋を分ける手法もありますが、結局親も本を借りたいとなると子供を連れて一般図書フロアへ立ち寄らなければならず(階が違うとさすがに子供を置いて自分だけ向かうのも心配!)、そこでちょっとでも声を大きく笑ったりするだけで注意しなければならない気苦労を思うと、ついつい子供のためには図書館へ行っても自分のための本はなかなか借りられなかったんですよね。
中央図書館の書籍レイアウトを見ると、暮らしに関するものが一番幼児向けエリアに近いのも助かりますし、育児関連の書籍を下に出てくる“こどもテラス”そばに置いてもらえる予定もあるようだし。
ママも本に親しみやすいレイアウト、これは嬉しい!

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↑ 図書館を入って一番近い場所に子供向けエリアが。

工夫2 ゆったり過ごせる雰囲気
館内は雰囲気づくりにも大変こだわりがあるそうです。
子供向けエリアに置かれる図書館家具は、子供が怪我をしないよう角が丸くて、見た目も可愛らしい雲形の木製家具などが配置される予定。
また、数か所に“光庭”というものが設計図に書き込まれていたのですが、これは天井部からガラスに囲われている庭で、自然光を室内に取り込むことで柔らかい雰囲気を演出。しかも過剰な照明が要らないので節電にもなります。そもそも図書館は奥行が深くなる特性があるので、どうしても一日中照明に頼る傾向がありますが、ワンフロア設計という建物の特色を生かして“天空光”を効果的に利用しています。ただ採光を考えただけではなく、図書館全体に差し込む光のうつろいが計算されていて、一日中いると館内の雰囲気そのものが変わっていく様子がうかがえるらしい!
こうした効果で昼間は極力照明をつけずに活動できるほか、太陽熱を利用した冷暖房設備など、自然エネルギーを活用した節電対策が随所に施されているのもこの施設の特長です。
ちなみに、曇りや雨の日は自動的に調光されるので、部屋は一定の明るさが保たれるようになっているそうです。

工夫3 こどもテラス
子供向けエリアの一番角には、“こどもテラス”というウッドデッキタイプのコーナーがあります。こちらは屋根はなく(パーゴラ的なものはあるようです)、ベンチがあって外で絵本を読んだり、泣いてしまったお子さんを連れだして気分転換させたり・・・といった、ちょっとした息抜きスペース。外に面していますが、子供が勝手に館外へ出られないよう囲われているので安心です。
ここには水道もあるそうで、親子で参加できるワークショップなども開催する予定。
このテラスの出入り口にもテーブル&チェアがあって、お母さん方が一息つきつつ育児に関する本などを手にできるような書籍配置も検討されているそうですよ!

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工夫4 おはなしのへや
こどもテラスのすぐ右隣りに配置されているのが、“おはなしのへや”。
図書館のイベントとして読み聞かせを行う場所ですが、行事がないときには乳幼児をお連れになった親子や、子供の自由な読書スペースとして利用できるようにと考えられています。
ここではお母さんが声を出して気兼ねなく読み聞かせができるのが魅力!図書館内にはベビーカーが持ち込めますが、この部屋は乳幼児がハイハイしたり寝っ転がったりできるようになっているので、出入り口にはちゃんとベビーカー置き場も完備!

工夫5 児童書の書庫
この書庫には、児童書の選び方について書かれている本など、児童書に関する資料がまとまって置かれています。保護者の方が絵本選びの参考に利用するのはもちろんのこと、児童に関わるお仕事をされている方への参考図書としても活用してもらえるスペースです。
この書庫の入口には、授乳室や児童向けのトイレもあります。

工夫6 グループ学習室
小学生になると図書館見学が行われることがあるそうですが、今までは受け入れるにもスペースに余裕がなくあまり良い環境を提供出来なかったとのこと。この中央図書館には、園児や小中学校の生徒がクラス単位で受け入れられる学習室を用意したので、半日くらいゆっくり落ち着いて図書館で過ごせます。グループ学習に使用されないときは、子供たちが落ち着いて本を読める部屋として自由に使ってもらえるよう解放します。


4.学習スペースの充実
中央図書館には合計400席もの自習席が完備され、一日中集中して学べる環境が整えられます。
テーブルは基本的には外へ面して設置されているので、新川や周囲の緑を望みながら学習できるという、何とも魅力的な配置に!
主な学習スペースは目的別に3区画に分かれていて、小声の会話が可能な会議室タイプ、パソコンの持ち込みが可能なタイプ、さらに会話禁止の静粛を求める方向けの部屋が用意されています。
この3区画以外にも、新川側に面しているや、書籍棚の間などに、いくつもテーブルとイスのセットの座席が用意されていて、多様な利用スタイルに対応できるよう配慮したそうです。中でも面白いのが、自分の書斎のようにゆっくりと集中できる個室タイプの部屋が4つあるんですって!
予約が必要な席もあるようですが、学習目的のスペースはたくさんあるので、例えば緑が丘図書館の学習室のように予約を取り合うような状況にはなりにくいと考えられています。

その他、障害がある方が利用できる対面朗読室や録音室、図書館を基点とした市民活動をサポートするボランティア室(=読み聞かせや手作り布絵本、視覚障害者向けの本など、ボランティア活動をしてくださる方への作業スペースとして提供。)や研修会議室なども設けられています。
そして新しいサービスとして、ICタグを利用した自動貸出機や自動予約棚などを設置し、利便性が図られるそうです。
また、この施設が“八千代市の情報提供の拠点”となるよう、出入口近くには総合情報ボードが設置されていて、ポスターやチラシなどの掲示板、モニター、パンフレットラックなどが用意されます。こちらには市から発信される公的な情報はもちろんのこと、「図書館にポスターを貼りたい!」といった要望にも応えていきます。

5.市民ギャラリーと中央図書館の相乗効果
既存施設では、市民のためのギャラリーとして利用できる場所は、市民文化祭を行っている勝田台文化プラザなどが主な場所。市内小学校に通う子供たちの絵画や工作、書道展などを、今は市役所1階のスペースで展示したりしているそうですが、今後はこの中央図書館と併設する「市民ギャラリー」を利用することで、より幅広い層へ作品に触れる機会を提供できることが期待されています。
どちらかと言えば図書館利用者のほうが圧倒的に多いと想定されていますが、その方々にギャラリーの存在を意識させ、立ち寄る意欲を自然と引き出すようなゾーニングが設計に組み込まれているんですって!

市民ギャラリー内には、市民展示室と常設展示室、収蔵庫などがあります。
市民展示室は可動壁で4室に区切られているので、内容によって接続利用することも可能。最大で約524㎡になり、現在市内で開催されている最大規模の展示会に十分対応できるスペースが確保できるようになっています。
何よりギャラリーの一押しポイントは、展示物の見栄えがより良くなるよう、ピクチャーレールの位置や光の当たり方などが計算しつくされているというこだわり設計。
従来は市民会館に展示していた星 襄一(ほし・じょういち 昭和後期の版画家)氏の作品357点も再び常設展示されることになっているそうです。
市民ギャラリーと図書館という相性の良さを生かし、市民の文化活動を支える施設として活躍していきそうですね。

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6.一日ゆったりすごせるための喫茶スペース
左右に分かれて2か所ある出入り口の間の円形建物内は、70席程度の喫茶・フリースペースになっています。まだ業者は決まっていませんが、こちらではコーヒーや軽食も販売される予定。この施設を利用する方だけではなく、隣接する総合グラウンドや公園へ遊びに来た方にも嬉しいサービスとなりそうですね!
現在、実施設計に入っている段階だそうで、詳細については設計完了後、広報や市のホームページなどを通じて周知されるとのことでした。


ちなみにこの施設の基本設計は、(株)岡田新一設計事務所に任されています。
基本設計委託業者を選定するにあたって、
・柔軟かつ高度な発想力、技術力
・豊富な実績
・取り組み意欲の高さ
などを持ち合わせ、中央図書館と市民ギャラリーの複合施設としての特性を生かせる最も適した者とするため、公募型プロポーザル(=業者選定の参加希望者を募って、提出させた技術提案書をもとに総合的に評価し、企画内容や業務遂行能力が最も優れた設計者を特定する方法)を採用しました。
選定された岡田新一設計事務所の実績については、新潟市立中央図書館や、図書館と公民館の複合施設である我孫子市生涯学習センターアビスタ、宇都宮美術館、最高裁判所など数多くあります。しかも公共建築賞や図書館建築賞などを受賞しているとか!
そんな豊富な実績と力が、こうした基本設計に生かされているんですね。


今後のスケジュールなど

この整備事業のスケジュールは
平成21年3月 中央図書館と市民ギャラリーの複合施設である「八千代市中央図書館等整備構想」の策定
平成22年3月 「八千代市中央図書館等整備計画」策定
平成23年度 基本設計 ⇒基本設計の概要はこちら
平成24年度 実施計画
平成25年~26年度 工事
平成27年度 開館予定
という流れで進められていきます。

一方、既存の地域図書館について、特に大和田図書館と八千代台図書館の老朽化が目立つため、「もしかしたら中央図書館が出来たら、閉館するのでは?」という心配の声も。ただ、そこは『地域図書館があっての中央図書館』という構想なので、おそらく閉鎖はないと思われます。
中央図書館は新川事業の一環で予算が組み込まれていますが、地域図書館の対応は新たに予算を組まなければなりませんから、今後は他の事業との兼ね合いを見ながらの対策になりそうですね。
この件については現在検討中とのことなので、老朽化対策やそのための費用の捻出などの方向性が固まった段階で、情報が出てくるでしょう。


財政状況について

ここまでは色々と魅力的なお話をつづってきましたが、やっぱり気になるのは「その財源はどのように捻出されているの?八千代市にとってその支出は今後に悪影響を及ぼさないの?」といった、費用面。
丁度12月1日付の広報やちよに、平成23年度の決算内容や一般会計決算額をもとにシュミレーションした“年収500万円の家計に市の収支を置き換えたら・・・”なんていう内容が紹介されていましたが、それらや市が公表している資料などをもとに、疑問に思う点をひとつずつ確認してみましょう。

★今回の新川周辺整備事業は、約81億円もの費用がかかると聞いています。
八千代市の財政状況に見合うものなの?

平成23年度の一般会計(=行政運営の基本的な経費が計上されるもの。特別会計や公営企業会計などは、それぞれ用途が決まっているのでここでは省きます。)の歳入は約556億円でした。
81億円の今回の新川事業を分かりやすくするために、単位を億から万に変えて、一般家庭の家計に例えてみるとこんな感じの規模の話になるんです。

「年収556万円の家庭が、81万円の車を購入するためローンを組みました。21万円は親から援助してもらいました。頭金として1割~2割5分の頭金を支払い、残りを10~15年のローンを組み、返済していきます。」
※21万円・・・新川事業に対して、国から「まちづくり交付金」という補助金が交付され、それが約21億円あります。まちづくり交付金とは、地域の歴史・文化・自然環境などの特性を活かした、地域主導の個性あふれるまちづくりを実施し、都市の再生を効率的に推進することにより、地域住民の生活の質の向上と地域経済・社会の活性化を図ることを目的とした制度で、「都市再生整備計画」に基づいて実施される事業について、事業費の一部を国から交付されます。
平成22年度より「社会資本整備総合交付金」に名称が変更されています。
※頭金・・・市の持ち出し分(借入する年度により国の施策の変更がありその額は変動します。)
※ローン返済期間・・・道路事業が10年、建物は15年かけて返済することにしています。

【注意】あくまで市の収入に対して、どんな比率の支出がなされているかをイメージしやすく単位を変えた例えです。コメント欄で「頑張れば個人レベルで払えそうな額に錯覚します。」というご意見をいただきましたが、もちろん元の単位は“億”です。ただ、どうしても億だと1億でももの凄い金額に思えて、財政の状況を正しく受け止めにくい印象を持ったので、あえて判断しやすい単位に置き換えさせていただきました。
ちなみにこの例は、八千代市ホームページの財政情報資料にも同じように表現してあります。

⇒参考/平成24年度予算の概要「やちよの家計簿」

今回の新川事業以外にも、市では年度間、世代間負担の公平性を維持するためにローンを組んで実施している事業もありますが、ローンの総額については常に考慮されていて、なんでもかんでも新たにローンを組んで事業を行っていくわけではないそうです。
ただし、現在は東日本大震災の後、緊急に対応する事項として耐震事業を優先的に行っていることもあり、ローン残高が増えている状況とのことでした。

★新しく建物を増やすということになれば、それに伴って維持費も生まれます。
年間約7億円と聞いていますが、その見通しは検討されているんでしょうか?そして財源の確保もきちんと計画されていますか?

この7億円を先の家計で例えると、月額に直せば車の維持費レベル(ガソリン代や保険料など)に置き換えられる計算になるかしら。新川事業に関する維持・運営経費は、市の事業全体のなかで調整して捻出するべく、他事業を無理のないよう優先順位をつけながら執行していくこと、そしてさまざまな経費削減を目標とした行財政改革に取り組む、という2本柱で財源を確保していくということです。

★八千代市は近隣市と比べても、かなり積立金に余裕が無いと聞いてます。実際どうなんでしょうか?
例えて言うなら、佐倉市や船橋市などは、もう子供たちが巣立った家庭。今まで子供にかかってきたお金を貯蓄にまわせる状況にあります。一方、八千代市は高校や大学の受験を控えた子供たちがいるような家庭をイメージしてみてください。一番お金のかかる時期で、一番貯蓄に回しにくい時期ですよね。
八千代市は今、東葉高速沿線で若い世代が急増したことへのニーズ対応が求められているうえ、最初の人口急増期からしばらく経ってのリニューアル時期も重なり、とても金銭的に苦しい状況です。

とは言え、せっかく集まってくれた若い世代をどう留めておくかは市にとって大きな課題!
私の周りでも親世代を支えるために同居する家族も増えていますが、街に魅力があれば、もともと八千代に住む親世代から土地を譲り受けて、その後も若い世代に住み続けてもらえるきっかけにつながりますよね。

そのためにも、魅力ある街づくり、そして将来性を考えての事業をということで検討を続けてきたひとつがこの新川事業でもあるんです。もちろん早急に対応するべき課題には対応されているうえです。例えば子供たちが急増した地域に小学校を新設したり(萱田南小学校、緑が丘小学校)、老朽化していた消防本部の建て替え(防災の拠点になる消防本部がつぶれたら話になりませんしね)、またごみの最終処分場の延命化などもすでに完了しています。
また、気になる小中学校の耐震化ですが、平成20年度から計画的に進められていて、平成27年度に全校が完了するようです。 ⇒資料

★貯蓄にまわせないとはいえ、平成13年には21億もあった貯蓄(=積立金)が平成21年度末にはほとんど無い状況でしたよね。一体どこへ行ってしまったんでしょう?
地方自治体の財源のひとつとして“普通地方交付税”という国からの補助金があるのですが、千葉県の中でも、空港がある成田市や東京ディズニーランドがある浦安市などは不交付でも運営できる財政力がありますが、八千代市を含めてほとんどの市はこれがなければ運営に支障をきたすほど重要な収入源になっています。
八千代市では街づくりのための事業をすすめるべく多くの支出が毎年重なっていたにもかかわらず、平成19年~21年度の3年間は、この普通交付税が全く交付されない「不交付団体」となってしまったんです。
(これは国が定める収入額を上回ると交付されません。「一定以上の収入がある自治体は、自身の収入のみで運営しなさい」という理由からのようですが、これはあくまで自治体の収入額から算定しているだけで、支出が多い状況であるとか、積立金がほとんどないといった実態は加味されません。)

平成12年度には普通交付税が約30億円も入ってきていたのですが、国の地方交付税総額が減少し続けた結果、平成18年度まで支給額は減り続け、そして交付額がゼロになった平成19年~21年の3年間は、今までの積立金を切り崩して何とか乗り切ったため、そこで積立金がほとんど底を尽きてしまったという・・・。
そのような状況でも、平成21年度からは無料の妊産婦健康診断を5回から14回に増やしたり、ワクチンの無料化に対応するなど市民サービスの拡充は図っていたので、そうした財源を確保するためにも、積立金を切り崩す額が増えてしまったという経緯があるようです。

★八千代市の今後の財政はどのような感じになるんでしょうか?まさか今回の事業のツケがあとあと市民に跳ね返ってきたりしませんよね?
平成22年には再び普通地方交付税が交付され、毎年15億~19億円程度の収入が得られるようになりました。並行して行財政改革(人件費の削減など)にも取り組むことで、ようやく少しずつ積立金にまわせるようになりました(実際に決算状況を平成19年度前後と比べてみても、23年度の積立金の金額は圧倒的に増えていますし、23年度は全く積立金を切り崩していません)。 ⇒資料

とはいえ、市民ニーズもますます多様化していますし、経常的にかかる費用も多く厳しい状況ではあるようですが、先ほどのローン返済にまわすための基金の積み立ても積極的に行われているなど、健全な財政運営を執り進める努力が多方面でなされています。

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かなり長くなってしまいましたが・・・まとめると、こんな感じです。
ひとつひとつ丁寧に資料を見ていけばすべて公開されている内容なんですが、どうしても部分的にしか情報は入ってこないので、誤解が生じやすいもの。
こうやって全体的に見えるようにすると、ちょっと噂などで聞いていたことと違うなぁ・・・と、とくに財政面ではすごく思いました。
八千代市が目指す“住み続けたいと思える街”づくり、来年以降も注目です。


【ご参考】新川周辺整備事業 進捗状況
・ふれあい農業の郷 
交流センターの工事を実施中。農業交流センター、ふれあいの森、ふれあい広場が2013年度オープン
・総合グラウンド 
地盤改良中。来年度(2013年)施設整備が始まり、2014年度オープン予定。
・中央図書館 
詳細設計を詰めている最中。2013年から工事が始まり、2015年度オープン予定。
・道路 
20か所修繕、18か所改築(市役所、村上周辺)。今後は米本団地、勝田台駅周辺の工事を行っていく。
八千代中央駅はバリアフリー重点整備地区、視覚障害者誘導ブロックの配置。
勝田台地域、2013年から安心歩行エリア内の歩行者路面の着色。
・橋梁 
塗り替え、宮内橋改修改良。城橋仮橋工事中。
・公園 
勝田台中央、辺田前2号、3号、5号工事実施中。2013年に共用開始。黒沢池近隣公園は2013年から工事に着手し、2014年から共用開始予定。


【市ホームページ 参考資料】
★八千代市第4次総合計画 紹介ページ
★中央図書館及び市民ギャラリー施設概要
★八千代市中央図書館等整備構想
★その他 市役所各組織の担当業務別資料

【追記】2012年5月3日 頂いたコメントの内容をもとにいくつかの質問を八千代市へ投げかけ、その回答を頂いたので追記しました(末尾)。
【追記】2012年4月19日 反対派意見について、一部内容を追記しました。
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八千代市で近年注目され続けている、新川周辺の整備事業。
この計画について、4月22日にTBSテレビ「噂の東京マガジン」で取り上げられる予定なんだとか。
(といっても、テレビですから番組変更になる場合もあるのであしからず・・・。)

とにかくこの事業については、反対の声も少なくありません。
特に賛成派・反対派という対立が激しくなった、前回の市長選の際には至るところで話題にのぼっていましたが、推進派の豊田市長が当選し“民意を得た”ということで、一応の決着を見せているといったところではありますが・・・。
予定通り進めば平成26年~27年には全事業が完了するという段階にきているというものの、いまだに賛否両論、反対派の活動が絶えない状況です。

反対派の方がおっしゃるには、『新川沿いに約74億円という巨額の税金を投入して、「図書館」「市民ギャラリー」「総合グラウンド」「やちよふれあいの農業の郷」の4つの建設事業を進めるという、いわゆる「新川ハコモノ計画」は、近年全国的に批判されている典型的な「ハコモノ事業」そのものではないか!』という見解。

一方、賛成派からは『八千代市全体の街づくりとして重要な意味合い。そもそも、ハコモノばかり取り上げられるが、事業の名称は「新川周辺地区都市再生整備計画」であり、市内の道路整備も含めてすべて10年以上前から入念に計画され積み上げられたもの』と、話しが食い違うばかり。

果たして、八千代市の財政状況は本当のところどのような状況に置かれるんでしょうか?
また、事業の具体的な中身についてもイマイチ分からなかったので、それも含めて公開されている資料や、市の関係者からお話を伺って双方のご意見をまとめてみました。

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ちなみに、反対派の立場でご意見を頂いたのは「情報公開と市民の会」さん。
今回「噂の東京マガジン」のレポーター清水国明さんから、反対派として取材を受けた方々です。
平成21年に市から計画が公表された当初から「慢性的な赤字に苦しむ八千代市でハコモノ建設など、市民は誰も望んでいない」と計画の見直しを訴えてきました。実際に、計画の是非を問う住民投票の実施を求めたものの議会で否決され、計画決定後は「事業の中止」を求め続けていらっしゃいます。

一方、賛成派のご意見を伺ったのは、八千代市議会議員さん。
この事業が市議会で可決されたとき、賛成の立場でいらっしゃった一人です。

さて、この事業全体の概要については書ききれないので、特に注目されている以下の事柄4点に絞って、反対派・賛成派それぞれの見解をご紹介していきます。
1.「八千代市中央図書館」について
2.「市民ギャラリー」について
3.「やちよふれあいの農業の郷」について
4.費用面について


1.「八千代市中央図書館」について
八千代中央駅と村上駅の中間あたりにある、新川沿いの場所を予定地とする新設図書館「八千代市中央図書館」についての見解です。この図書館を設立するにあたって、市民のニーズの多様化、高度化、専門化に応えていくためには、市内に既存する4つの図書館の設備や機能では限界があること、また八千代中央・村上駅周辺の人口急増地域に対する図書館整備が急がれていることが理由として挙げられています。さらに、この中央図書館によって既存図書館の再生化・バックアップも図る狙いがあります。
【反対派】
・不便な新川沿いに「中央図書館」を新設するのなら、既存の図書館を充実させたほうが市民サービスの向上になる。
・市民の便利の悪い、遠い図書館をわざわざ使う人は少ない。このような所に21億円もかけて施設(ハコモノ)を作るより、別の使い方をしたほうがよい。例えば、学校の設備が古くなり、雨漏りがする体育館や、汚くなっているトイレの改善。既存の地域住民に密着した4つの図書館の設備の改修や、図書、雑誌、資料の補充や充実を図ることなどにお金を使って欲しい。
・かねてより地盤の脆弱性が指摘されていたが、やはり東日本大震災で液状化が発生。市側は早急に詳細な地質調査を行い、市民に公開して説明すべき。
・地震における液状化対策にかかる費用がさらに増え、21億円では収まらずにもっとムダ使いになってしまう。
【賛成派】
・新川沿いということで地盤が問題視されているが、震災の際に液状化したのは表面に整地した土壌部分であり、地下は大変強固な地盤であることが調査結果として分かった。現在は適した工法を用いることで液状化を防ぐことが可能であり、今回はまだ建設前に地盤工事を行うことが出来るので安心である。
・市内4カ所にある図書館のうち、とくに大和田図書館と八千代台図書館の老朽化・耐震については心配されるところであるが、建て直しや耐震工事、蔵書拡大に耐え得る設備改善の費用を新たに確保するほうが難しい。
・中央図書館には、石川県小松市にある「空とこども絵本館」(⇒詳細はこちら)を参考に、0歳の赤ちゃんが寝転がりながら絵本に触れられるような、騒がしくしても気にすることなく本に親しめる子供向けスペースを設ける。ここだけで3,000冊もの蔵書を検討しており、近隣市にもあるような、読み聞かせをしても大丈夫な親子でゆっくり過ごせる図書館になるよう企画中。
・八千代市内には、受験勉強などで利用したくてもじっくり自習できる場所が少ない。緑が丘図書館1階にある自習室も時間交代制で、八千代中央駅にある生涯学習プラザも満席。学生は郷土博物館にまで足を伸ばして自習の場を求めている状況。そこで中央図書館には、400席もの自習席を完備する予定。一日中集中して学べる環境を整える。
・そもそもこの図書館を今回の街づくりに盛り込むにあたって、5年前に市内住民から3万6千もの署名を集めたうえでのもの。それだけニーズがあって望まれている背景がある。
・立地が悪く利用しにくいのではという声もあるが、女子医大が出来て市内巡回バスが通ったように、この図書館へのアクセス(バス等)も整える。むしろ、ふるさと親子祭の花火大会でも徒歩や電車で多くの方々が集まる立地と重なることから、利用しにくい場所とは考えにくい。

2.「市民ギャラリー」について
図書館と併設される複合施設。目的として、市民の文化活動の拠点となるような施設であること、市の収蔵美術品の展示スペースが確保できる施設であること、発表の場として機能的であり市民にとって使いやすい施設であることなどが挙げられています。
【反対派】
・「市民ギャラリー」は用途が不明確。
・市に何を展示するのか質問すると、「市民会館2階で展示されていた星襄一氏の版画を展示予定で、新たな展示品を買うつもりはない」との答えであった。市民の負担で特定の作家のための施設を建設することが妥当なのか?その他のプロの美術作品展示までを企画・実行する意向もなく、美術館として運営できないため、やむなく「市民ギャラリー」の看板をかかげたのではないか?
・市議会の一般質問でも、「10年かけて貯めてきた5億円の市民ギャラリー基金をすべてハコモノだけに使っていいのか?内容のないものならば、1回来ておしまいだ。」という批判が出ている。
・8億円もの投資は妥当だとは思えない。維持管理費も年間1億円近くはかかると言われている。
・もっと利便性の良いところで、市民の活動の成果(展示物等)を多くの市民が気軽に見に行けるものにするべきだ。
・全国各地の自治体が運営する「市民ギャラリー」とは、一般的に文字通り”市民=アマチュア”の芸術活動の成果発表のために提供される施設であって、美術品のみならず音楽・舞台芸術など幅広いパフォーマンスを対象にされるものである。市民が気軽にアクセスできるように、交通の便が良い商業地域など市街地を選んで設置されている(八千代市の場合も、現在は勝田台駅地下コンコースにある)。今回の企画では、アートを鑑賞する一般市民=お客様の便宜に重点をおいてきちんと検討がされているのか?
【賛成派】
・市内各地で活動されている団体・サークルやおけいこの場で生まれた作品が、なかなか展示できる場所が少ない。このギャラリーを発表の場として利用いただく。
・市民の作品だけではなく、素晴らしい芸術品を常設展示し美術館としての面も兼ね備える。
・現在市民会館が改装工事中のため、市内では発表会の会場などに大変困っている声を多く耳にする。ここには、勝田台公民館にあるホールより大きなホールを設置。市内の新たな公民館として利用いただく。

ちなみに、この図書館と市民ギャラリーの構想については、「八千代市第3次総合計画 第4期実施計画」に基づき、中央図書館、市民ギャラリー及び市の収蔵美術品収蔵庫を併設する複合施設を整備するため、基本的な方針を明らかにした「八千代市中央図書館等整備構想」がPDFで資料公開されています。
⇒八千代市中央図書館等整備構想(H21.3月)策定内容はこちら

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3.「やちよふれあいの農業の郷」について
同施設は国道16号線沿いの新川を渡ってすぐの島田地区側が建設予定地になっています。「農業振興を目的とした事業であり、野菜等の販売や農業体験が家族で楽しめるハーフデーパークを建設する」とされています。
【反対派】
・農産物即売所、ショップに来店する消費者は、新鮮な農作物を多少割安な価格で購入するために八千代市内の農業生産者との「ふれあい」のために余分な対価を支払うつもりはないと思われる。それゆえ消費者が「ふれあい」のメリットを認識・享受することは期待できない。
・「農業体験」と「イベント」による「ふれあい」は、島田・米本地区を中心とした100世帯程度の農業生産者と八千代市住民の総人口の2%にもみたない周辺地区住民とのあいだの交流に終っているのでないか。子供連れの家族が田植え・稲刈り・イモ掘りなどの作業をやっただけで、農業従事者の労働・生活感覚までも体得することになるのか疑問。
・新川をはさんで米本地区には、すでに八千代市が運営している「ふるさとステーション(道の駅)」があり、事業内容も殆ど同じコピー版は必要ない。
・近くに16号の八千代橋があるにもかかわらず「歩行者専用橋」と称して約2億円の建設予算も計上している。 
・「道の駅(ふるさとステーション)」は市直営でテナント業者に販売委託の契約をしており、市の総支出額は年間約8,200万円にのぼるが、テナント3社の負担額計は約1,400万円。差し引き年間約6,800万円の赤字を市が負担(私たちの税金)している。それと同様の契約システムで運営するというのだから、赤字は必定である。
【賛成派】
・ふれあい農業の郷には、現在八千代市内の農家で深刻になっている跡継ぎ問題を解消する目的がある。市内を支える農業の存続のためにも、体験型農業の場を充実させることで少しでも多くの農業従事希望者を呼び込む狙いがある。
・建設予定の島田台の土地については、跡継ぎがおらず土地所有を放棄し市へ移譲したものばかり。それだけ農家の方々は跡継ぎ問題にひっ迫しており、この計画が持ちあがった10年前から期待してきた。
・現在、市内各地に体験型農園がある。さつまいもやジャガイモなどポピュラーな農作物から、蕎麦づくりや綿づくりなど珍しいものまで、それらを一堂に会すことで、より多くの方々が体験しやすい場へとつなげる。
・体験農業は、幼児から小中学生のイベントには欠かせないもので、現時点でも市内各所の体験農業の場には申込みが尽きない。より体験希望者が利用しやすい環境に整えることで、市内のみならず近隣各市からの流れも期待出来る。
・道の駅から新川の対岸へ渡るためには、16号にかかる橋が最短のルートであるが、ここはかなり迂回しなければならず、また子供が利用することを想定した場合危険が伴う。徒歩専用の橋を道の駅からすぐ目の前にかけることで、安心して行き来できるうえ、ベビーカーなどで訪れる子供連れの方々にも利用しやすい。

4.費用面について
【反対派】
・平成24年度3月議会で補正予算が計上され、「ハコモノ4事業」のひとつである「総合グラウンド」の建設予算が計画当初10億円とされていたのが、今議会の補正予算で更に約7億円近くが加算され、約17億円にハネ上がってしまった。これにより、総事業費は約81億円(維持管理費は別)に膨らんだが、これまでの設計費や見積もりはなんだったのか?行政のドンブリ勘定そのままに豊田市長が提案すると、議会は殆ど議論もなく可決。市民の血税を何だと思っているのか!
・豊田市長は平成21年6月に「広報やちよ」で「国のまちづくり交付金を活用して、一人ひとりが幸せを実感できる生活都市をめざす」と宣言。それが「新川ハコモノ計画」だったわけだが、そもそも交付金は総額の3割までであり、残りの7割は私たち市民が負担するものである。しかも、今回の7億円の追加予算については殆ど交付金が出ないことも明らかになった。なぜ、巨額の財政負担を市民に強いてまで、あの不便で地盤が脆弱な新川沿いにハコモノを建設しなければならないのか?先日のテレビ番組で、福島県楢葉町は原発関連交付金でハコモノ(博物館)を建設したものの年間入場料収入が89万円で、運営維持費が100倍の9千万円もかかり、お手上げ状態であることが放射能汚染問題とともに放映されていたが、市民が望んでもいない、説明もない、ハコモノ事業である「新川計画」も同様の性質を持っていると言わざるを得ないのではないか。
・市長に追随する市議たちは「決まったことだ」と言うが、まだ具体的な建設は行われていないのだから、今から反対しても遅くはないはずだ。議会で議員たちが真剣に計画の中味について議論し、議会の総意として「計画中止」の議員発議を行うべき。そして真に市民の生活環境向上を実現するための方策を立案し、推進すべきだ。
・『この計画を中止した場合、これまでの費用をすべて返還しなければならない。そして、中止した場合は国からペナルティを課せられる。』と言っている人もいるが、これは間違いである。国土交通省都市地域整備局の説明によると、交付金の出た計画については ①計画は自由に変更できる、②計画変更により交付金が出なくなることは無く、毎年度計画変更に応じた交付金を出す。ということである。
・この計画の費用の一部を借金して実施できるから大丈夫だという議論があるが、市債を発行(起債)する、つまり将来への負債を多くしてしまうことになるので、良いとは言えない。
・今後長期にわたり、国をあげて被災地の復興に取り組む必要があり、自治体も住民の安全と福祉を守る施策を優先し、国からのまちづくり交付金21億円も返上して被災地復興のために振り向けるべき。

【賛成派】
・今回の「新川周辺地区都市再生整備計画」については、事業費の1/3の金額を「まちづくり交付金」として国から交付される。この交付金は震災後に廃止されてしまったため、今後例えば図書館だけでもと希望を出したとしても、補助を受けることが出来ない。
・「ハコモノ、ハコモノ」と言われるが、今回の事業は街づくり全体にかかわるものである。この交付金によって初めて取り掛かったのが市民体育館前の道路整備。国体に合わせて修繕をしたと思われている方も多いが、これはこの整備計画の一環として取り組まれたもので、現在でも例えばゆりのき台や新川沿いなど市内各地で整備されている道路はこの費用を利用して行われている。もしこの計画に反対し、中止した場合は、これまで行ってきた事業にかかった費用をすべて返還しなければならない。そして、中止した場合は国からペナルティが課せられてしまうため、八千代市として国に補助金を求めることが今後できなくなってしまう。今後たとえ整備が必要だとなっても、費用の面で難しくなってしまう。
・この事業は、交付金のほか費用の一部を借りることもできるため、実際に八千代市の財政がひっ迫し、税金が上がるようなことは想定されていない。むしろ、八千代市の税金や公共料金は、千葉県内で比べてみても特別高いわけではない(例えば上下水道料金はお隣りの佐倉市に比べて10%ほども安く、介護保険料に至っては現時点で全国の自治体の中で10位以内に入るほど安い!)。他の費目についても特段高く設定されているわけではなく、八千代市の借金が取り立たされるが、財政難でそこまでひっ迫している状況にはない。この事業によって、税金が上げることは考えられていない。
・反対派の方々は「費用が貯まったら実行に移せば良い」という見解。何もアクションを起こさず収益を増やすこと、市の問題を改善することは困難。今回の計画は10年以上も前から詳細に検討を重ねてきたもので、どのような需要があり、どう街づくりを進めればよいのか話し合われた結果のものであり、それゆえ国からの交付金に結び付いている。この財源があるからこその計画であり、財政難を深め無理を通してまでの事業ではない。

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今回ご紹介した意見はあくまで一部であり、またそれぞれ賛成派・反対派の総意というわけでもありませんが、この事業について何となく争点が見えてきたでしょうか?
それぞれの見方があり、どちらの立場に立ってもメリット・デメリットがあることですから、どちらが正しいと言い切れるものではないかもしれませんが、実際に事業は進行中。このまま進めば、2年後の新川周辺は今とは全く違った景色になっていることでしょう。

家を購入するのに、なかなか全額現金で支払うケースってありません。
ローンを組んで無理のない返済をしながら、自分にとってより良いライフスタイルを手に入れます。
街の暮らしが豊かに、過ごしやすくなれば、自然と人も集まり「市」としての運営もより良く進むのかしら。
それとも、やっぱり思っていたよりローン返済が厳しくなったり、思っていたような便利な「住まい」にはならないのかしら。

4/22に予定されているTBSの内容、さて皆さんにはどのように映るでしょうか?

【追記】2012年5月3日
本レポートを掲載後、皆さんから疑問を含めていくつかコメントをいただきました。
その内容を踏まえて、以下7点について八千代市役所へ直接質問を投げかけたところ、詳しくご回答を頂くことができましたのでご紹介します!
質問(1)
「八千代ふれあいステーション」が年間6000万円以上の赤字になっているのに、ほぼ同じ用途の農業施設は必要なのか?
①用途は本当に同じと言えるのか?(こんな理由からどうしてもこの場所に造らなければならないという反論はないか?)
<回答>
八千代ふるさとステーションは,農業の振興を図るとともに,市民,農業生産者及び商工業者相互の交流を深めるため設立され,現国土交通省の「道の駅」にも指定されている施設です。比較的短時間の利用を目的とした「立寄り型」の施設です。
一方,「(仮称)観光交流センター」は,「八千代ふるさとステーション」とその周辺地区で展開する地元営農組織による観光農園・体験農園・市民農園等の計画とを総体的に捉えた『やちよふれあいの農業の郷構想』の中の一施設であり,農業後継者を育てるための研修機能,農業体験や調理実習機能,また,農産物直売施設や加工施設,さらに,自然と触れ合える空間としてのふれあいの森や多目的な空間としてのふれあい広場を整備することを計画しており,半日程度楽しめる「滞在型」施設です。


②年間6,000万円の赤字は、本当に倍額になってしまうのか?そもそもこの赤字の妥当性は?
<回答>
八千代ふるさとステーションの年間運営経費は,平成22年度決算ベースで総額,62,526,248円(人件費33,065,043円含む)です。この財源内訳は,施設等使用料8,706,674円,光熱水費等負担金7,285,090円,市税等一般財源46,534,484円です。
したがって,八千代ふるさとステーションは,地方自治法第244条に規定する公の施
設であり,住民の福祉を増進する目的によって設置されており,運営経費から施設等使用
料などの特定財源を差引いた市税等一般財源相当額をもって赤字額とする考え方は,収益事業ではないため,なじまないものと考えます。(農政課)

⇒参考までに、この赤字の話について道の駅やちよで野菜を販売しているクラフトさんにも伺ったのですが、あの場所はあくまで八千代市があの一帯の田んぼの農道を詰める区画整理(細々したものをまとめて多数の農道分を減らす)をした際に出来た余剰分に建てた公共施設(道の駅)で、利用者を市が募集した際に市内農家が集まって出店した直売所「クラフト」さんが、テナントのひとつとして手を挙げたということ。誤解が多いのですが、この場所は直売所のために建てたわけではないんです。
そのため、もしかしたら現在は展示ギャラリー的なものばかりだったり、コンビニが入っているとか、そういった内容だったかもしれないんです。八千代市に限らず全国的に見ても、公民館や体育館といった公共サービスを主とする場所では収益目的ではないため、市役所の回答にもあるように赤字・黒字で表現することはありません。その中でも、むしろこうして賃料はもちろん、ここでの年間売上分の税金は市に納められますし、集客効果によってクラフト以外にも周辺地域の店舗活性化につながっていたりと、多くの面でこの直売所の存在が市財政にとってプラスの面があり、そもそも直売所自体は赤字経営ではありません。
番組を見た方が誤解されて、赤字経営ならクラフトは大丈夫なの?!と問い合わせが何軒もあったようですが、そのあたりは全く問題なく今後も変わらず営業されるということなので、ご心配なく・・・。

質問(2)
16号線の橋があるのに、その隣に、2億円かけて歩行者専用の橋は必要なのか?この金額と歩行者専用道路との費用対効果はどのように考えられているのか?
<回答>
ふるさとステーション,(仮称)観光交流センター,周辺の体験農園などを含めて,「ふれあいの農業の郷」と位置づけており,八千代市の観光交流拠点として,多くの市民の方々に利用していただくためにも,歩道橋で一体化することで相乗効果を高めていきたいと考えています。
また,国道16号の八千代橋は少し離れていること(約100m),高低差があること,歩道は広いとは言えないこと(1.8m),交通量も多いこと(約4万台:H17交通センサス)から,ベビーカーや子供連れ,高齢者の方にも安心して利用していただけるよう,利用者の安全性,利便性の面からも歩道橋が必要と考えています。(農政課)


質問(3)
作った後の維持管理費(ランニングコスト)は、どう考えられているのか?
<回答>
維持管理の方法については,コストの削減や効率的,効果的な運営を図るため,今後民間活力を導入する(指定管理者制度)方向で検討いたします。(農政課 他)


質問(4)
今回の整備によって財政破たんもしくは過度な財政負担になる可能性はどの程度と予想されているのか?やはり責任は市民へ税金増額として降りかかってくるのではないか?
<回答>
新川周辺地区都市再生整備計画は,八千代市第4次総合計画に位置づけており,計画期における財政収支の見通しを踏まえて進めています。したがって,この「新川周辺地区都市再生整備計画」による新たな市民への財政(税)負担は見込んでおりません。(総合企画課)


質問(5)
新川開発に合わせて城橋は補修してくれるのか?
<回答>
城橋は橋長約89m,幅員6mの橋梁ですが,防護柵の補修と橋桁等の塗装の塗り替え等を計画しています。また,歩道として側道橋の整備を,平成24年度内の完成を目指し,工事を進めています。(土木建設課)


質問(6)
既存施設のメンテナンスはどの程度今回盛り込まれているのか?既存設備についての補修が今後どのように検討されているのか、また現時点での市内建物の耐震性については?
<回答>
市道・橋梁修繕として,25事業箇所(事業費約8億5,600万円)を計画しており,舗装の補修・橋梁の補修を行う内容となっています。
市道改築として,18事業箇所(事業費約5億5,400万円)を計画しており,道路側溝も含めた道路の整備等を行う内容となっています。
さらに,高質空間形成施設(歩行支援施設)整備として,14路線(事業費約1億1,100万円)において,歩行者空間を充実させるため,視覚障害者誘導ブロックの設置,バリアフリー化に基づく歩道の切り下げ等の整備を行います。(土木建設課)


質問(7)
『論点としては、市民サービスとしての新規の開発と既存施設のメンテナンスのどちらを優先するかということになるのでしょうか』というコメントがあるのだが、これは新川沿いへの老朽化対策も含めた総合的な整備だと認識しているが、それで間違いないのか?やはり新規開発に重きが置かれて、既存施設のメンテナンス面で心配な部分も多いのか?
<回答>
市有建築物の耐震化については,八千代市耐震改修促進計画において大規模な,いわゆる特定建築物について優先して進めることとしています。
耐震工事の進め方ですが,特定建築物のうち,学校施設については,特に優先的に整備を進め,平成27年度までに耐震化を終了することとした他,市民会館については,平成24年度中に耐震化が完了する予定です。
その他の特定建築物についても,平成24年度において,市民体育館の耐震診断を実施するとともに,市庁舎の旧館及び新館について耐震診断及び基本設計を実施して耐震化に着手することとしており,早期の耐震化に努めていきたいと考えています。
また,特定建築物以外の小規模施設については,八千代市耐震改修促進計画において耐用年数等を勘案して耐震化を検討し,危険度や地区バランスを考慮して,緊急性の高いものから整備することとしています。※八千代市耐震改修促進計画(平成20年3月)(建築指導課)


番組放映後、いろんな場所で色んな話を耳にしました。
番組内でインタビューを受けていた農家、酪農関係の方のコメントにしても、その前後がカットされ意図的につなげられたという憤慨の話、市職員の方々も約1時間ほど熱心に説明をしたけれども、その中で回答に詰まった瞬間を使ってあのような雰囲気が続いていた印象をもたせる作りになってしまったという話などなど・・・。
また、番組最後の感想に「施設ができることで、少しでも市内も若手の農家が多く集まってくるようなきっかけにでもなれば」といったコメントがありましたが、実は八千代市の農家は全国的にみても類を見ないほど若手の方々が多く従事していらっしゃるんだそうです(確かに、梨農家さんを見ていても皆さん世代交代されて若い!N(梨)-1グランプリの様子からも若い方々が多かった!)。だからこそ、さらに農業の面で活性化させられる余地がまだまだあるのではということ、そして農業人口1%という数字にはどういう比較によるものなのか、市内の住宅地と農地割合に対しての人口が考慮されているのかが不明で、意味がないのではという声も聞かれました。
確かに、賛成派の意見は出てこなかったし、フェアではなかったかもしれませんね。
ともあれ、さまざまな方面で注目された先日の番組ですが、最近のメディア全般に言われていることながらも改めて今回、内容をそのまま鵜呑みにせず、自分なりにしっかりと情報を精査して受け止めることが大切だなぁと・・・。

★参考資料
⇒新川周辺地区都市再生整備計画について
⇒新川周辺地区都市再生整備計画(第一回変更・H22.3月)
⇒八千代市の都市計画に関するアンケート調査報告書(H22.3月)

八千代市に10年も住んでいるのに、そういえば1回も市内の図書館へ行ったことがなかった!!と、今更ながらに図書館めぐりを始めた私。一番最初に伺った勝田台図書館に引き続き、今回は緑が丘駅から徒歩5分ほどの場所にある「緑が丘図書館」へ行ってきました!

ここは八千代市内にある4か所の図書館のうち、最も新しく出来た施設で2004年にオープンしたばかり。今でこそインターネットの検索やパソコン利用の提供などがポピュラーになりつつありますが、当時はまだまだ全国の図書館でも珍しいITを取り入れた先進的な施設としてスタートしたそうです。
もちろん当時のままではなく、今はさらに充実したサービス提供を模索しているらしいので、そのあたりもお伺いしていきましょう!
※八千代市の図書館めぐり~勝田台図書館レポートはこちら

緑が丘図書館は「緑が丘プラザ」という建物の1階~3階にありまして、4階と5階は公民館として機能しています。駐車場は1階に9台分、高架下にある敷地外駐車場に12台分用意されているのですが、公民館と共用で台数も限られているので、駅から歩いてきたほうが確実。
徒歩4分ほどですが、駅から続く2階レベルの歩道を進めばあっという間に到着!

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・・・さーて、どこが入口なんだろう?
何しろ、ここにそういう施設があるというのは知っていたものの、こんなに近くまで来るのは初めて。やや挙動不審気味に外観を眺めていると、図書館の向かいに広がる“スポーツの杜公園”で遊んでいた子供たちが、外階段を駆け上がっていくのを見かけました。
あの階段が図書館の入口なのかと建物の前まで歩いて行きましたらば、発見!立派な1階正面口。

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館内の案内図を見やると、一般向けの図書室が3階、そして2階は児童図書室があって、さきほどの外階段は2階とだけつながっているようです。なるほどー、こんな立派な建物だけれど、小学生くらいのお子さんでも外階段を使えば気兼ねなく立ち寄れそうですね。
正面口のある1階は、入って斜め前に管理室や自習室があるためか、かなりシーンとした雰囲気。さっさと右側にあるエレベータ(奥に階段もあります)を使って3階の一般図書室へ!

フロアの雰囲気は・・・と紹介していこうかと思ったのですが、緑が丘図書館ならではのポイントを念頭に置いたほうが伝えやすいので、まずは図書館の方から伺った見どころからご紹介していきましょう。

ポイント1/調べものなら緑が丘図書館へ!
今まで市内各館がバラバラに図書を購入し、資料なども分散して持っていたそうなのですが、それぞれで中途半端に資料を持っていても調べものをする場合は不十分で、複数の図書館をまわったり、ほかの図書館からいちいち本をリクエストしなければならないという状況にありました。また、良い資料も生かされることなく各図書館に眠っている場合も多かったので、利便性を考慮し、市内に分散された資料をここ緑が丘図書館へ集約したのだそうです。

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そのため、今まで勝田台図書館に書籍保存室を設置しておりましたが、新たに電動書庫を緑が丘に設置したことで4万冊もの収納スペースが生まれました。ここには、文献のような本ばかりではなく、歌謡曲の雑誌なども保管されています。
「特に古い歌謡曲の楽譜が載っていたりするものは保存しています。他にも、ハローページも全国のものを最新版で取り揃えて、随時差し替えています。ちなみに、今は個人情報保護法の関係で古いものは処分せずにNTTへ返却しているんですよ。」

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この保存室には、新聞の縮刷版までずらっと並んでいます。ですが、市販されているものは東京版なので、地方記事は掲載されていません。それを補完するために、わざわざ図書館で新聞を切り抜いて、ずっと保管してきているんですって!しかも調べやすいようにオリジナルで索引も作成されています。
さらに、八千代市に関する記事だけを抽出した資料まで自作されていました。こちらは市内全館でコピーを所有しているので、緑が丘図書館以外でも閲覧することができるようです。ちなみに、この資料は一般図書室に置かれているので気軽に手にとれますし、見出しやキーワード別に索引も作ってあるので、大変調べやすい仕上がりになっていました。

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こうして資料を市内図書館から集約したことで、色々なメリットも生まれました。
今までは各館それぞれで購入していた年鑑なども買いそろえる必要がなくなったため、その分の予算が他の書籍にかけられるようになったそうです。また、今まで等分されていた予算を工夫することで、今まで手が出せなかった高価な書籍や資料なども購入できるようになったんですって!
「この本は、10万円以上もする高価なものなんですよ。」と教えてくださった分厚い資料、それが普通に本棚へ並べてあって、誰もが手に取れる状態になっているんです!
そんなに高価な本があるなんて今まで思いもしなかった!!これから資料を手に取る時は、手袋をはめたくなります・・・。

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「あらゆる資料関係を緑が丘に集約したわけではないんです。郷土資料については、市内で一番古い図書館である大和田図書館にすべてを集約しましたから、こちらに置いてある郷土資料は、さわりのポピュラーなものばかりで、冊数もごくわずかです。」
このように図書館ごとに役割分担をすることによって、今まで出来なかったサービスの充実化を図ることにつながったんですって。

ポイント2/レファレンス業務の充実
他に担う役割として、ホームページの維持などの電算関係、そして充実したレファレンス機能があります。
他の図書館でも、図書について相談したりできるレファレンス機能はあるのですが、場合によっては緑が丘図書館から回答するケースもあるようです。それだけ専門的にレファレンス業務に職員の方が特化できるということは、人員的に他の図書館よりかなり多いのかしら?
「職員の人数は現在5名のみです。他の図書館との違いといえば、貸出管理などの窓口業務全般を丸善に委託しているので、この人数でもレファレンス業務やイベント関係の充実化に取り組むことができているんですよ。」

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カウンターに設置されたパソコンには、レファレンスへの質問と回答内容が一覧で入力されていました。少し拝見させていただきましたが、大学生からレポートの内容について質問があったり、会社勤めの方から専門用語の質問があったりと、内容は本当に幅広くさまざま!
「レファレンスの役割というのは、直接答えをお伝えすることではありません。回答への道筋となるような、関連図書を紹介することです。けれども、的を得た回答をするには自分はその内容を把握しなければなりません。そのため、レファレンスはその都度、四苦八苦しながら色々と勉強する必要があるのです。」

最近はインターネットの普及で、用語についての質問は減ってきたそうですが、歴史に関する事柄などネットでは調べきれないこともまだまだ多く、やはり最後は書籍頼り!
とはいえ、どうやって調べればよいのか検討もつかない利用者も多いようで、レファレンス業務の内容はどんどん幅広く、さらに専門性の高い内容を求められてきているようです。中には、レポートの課題に与えられた「環境」について知りたいというような、漠然とした質問も少なくないそう。
「こうした質問には、まずその単語の意味を百科事典などで調べることで概要をつかんでもらい、その中から自分の興味が持てる事柄に絞って調べていくことをポイントに、図書館の活用方法をお伝えしています。レファレンスを利用されない学生さんの中にも、こうした書籍の調べ方を知っていれば参考になると思いますし、“環境”など取り上げられやすいテーマについては調べ方のポイントをまとめた紙を置いて、図書館をフル活用してもらえるよう工夫していければと考えています。」

ほかにも、本を執筆する際の裏付けとして本を探している方がレファレンスを利用する場合もあるんですって。こういったケースでは、市内の図書館ではなく、長崎図書館など地方図書館や大学図書館、さらには国会図書館にのみ保管されている資料なども多く、そのコピーを取り寄せてお渡しするといった対応までなさっているようです。

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そんなポイントを踏まえて、実際に一般図書室をまわってみました。

まず気になったのは参考図書コーナー!
他の図書館と同じような一般図書はもちろん用意されていますが、3,000冊以上もの辞書や辞典、白書などが集められた専用の一角が用意されているんです。こうした資料が、緑が丘図書館内には書庫に保管されているものと合わせると、一般図書の1割以上(7,000冊以上)にものぼるそう。もしこのコーナーでお目当ての資料が見つからなくても、レファレンスに問い合わせてみるといいですね。

さらに、なかなか探しにくい新聞記事などの情報を、パソコンで効率よく収集できるツールまで用意されていました。これは、日経テレコン21や朝日新聞のDB「聞蔵」、官報情報サービスといった「有料データベース」のことで、個人で利用しようとすれば閲覧するのに1記事あたり50円、PDFで新聞記事をそのままの状態で閲覧すると100円ほど負担しなければなりません。これを図書館では月額料金で購入していて、閲覧者に無料で提供しているのです。

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オープン当時は、図書館にこうしたインターネットを取り入れた図書館というのは少なかったようで、有料データベースの閲覧が出来るというのは県立図書館クラスなんだとか!
この情報は、希望する方にはコピー代はかかりますがプリントアウトもさせてもらえます。

他に目新しく思えたのが「就職・資格検定・起業コーナー」。
資格の取り方に関する本だけではなく、参考書までいろいろ取り揃えてあるというのは、今まで見かけたことがなかったような・・・。
「そうなんです、今までは資格の取り方だけは図書館で情報が得られても、図書館ではその勉強までは出来なかったわけです。こうした参考書などの学習書籍は、結構価格が高かったりしますし、思い立ってすぐ勉強を始められるということにもつながるのでは?
検定に向けて勉強するわけですから、なるべく新しい過去問題集を購入しなおすよう気を配っています。また、今以上に起業・ビジネスに関する本も導入していく予定です。」

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印象的だったのは、“八千代市の図書館として、ただ本を借りる場所だけではなく、市の活性化サイクルに入りこめるようなあり方を模索している”という言葉でした。起業に関する書籍を活用してもらって、八千代市で実際に企業を興し、お店が繁栄することで八千代市へ還元されていけば、確かに“単なる図書館”という位置づけには終わりません。
まだ試行錯誤の段階だとおっしゃっていましたが、こうした意識で図書館を運営されているということに驚き、またそういった目で図書館を見てみると、確かにいろんな工夫が施されていることに気が付きます。

例えば、ノートパソコンの貸出サービスもそのひとつ。
退職された方が、再就職で履歴書を作成する際にパソコンが必要になることもあるそうで、そうした方が無料でワードやエクセルを利用できるよう準備してあり、プリントアウトも紙を持参すれば10枚程度までサービスしているんですって!

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ちなみに、自分のパソコンを持ち込むことも出来ますし、インターネットに接続できる専用コンセント付きビジネスコーナーも設置してありました。こちらの利用は午前・午後の2部制になっています。
また、インターネットの利用ということであれば、メールのやり取りやページのコピーなどはできませんが、館内に常設されているネット利用端末も使用することが出来ます。使用する場合は、カウンターで利用券を発行してもらう必要があり、高校生以上の方で1日1回1時間以内という利用制限があるのでご注意を。

そうそう、こんなサービスまであるのにはびっくりしました!
新聞の閲覧コーナーに、折り込み広告まで置かれているんです。
「今までは折り込み広告を廃棄していたんですが、中には割引券がついていたり、新聞をとっていない方が目に触れない情報が入っていたりしますから、自由に持ち帰れるようにしたんです。また、求人情報だけはファイリングをして、見やすくまとめてありますよ。」

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ほかにも、勝田台図書館にも設置されていた「ヤングアダルトコーナー」をこちらでも発見!
児童書は卒業したけれど、一般図書を利用する際のきっかけとしても入りやすいコーナーです。ここには10代をターゲットに、身近な話題を取り上げた書籍がずらり。その頃に抱える心の問題や生き方について、また進路に関する本や、スポーツ・社会や物事を知るための1冊などなど、名作から今話題の図書までが、幅広く取り揃えてありました。
同コーナーの一角には、「八千代緑が丘図書館ヤングアダルト通信」という実際に市内中学校の生徒さんがオススメの書籍やその感想、季節の話題などを自作イラストを織り込んで仕上げたプリントも置かれています。同じ年頃の人がどんな本を読んでいるのか?これを参考に新しい本を手にするのも面白いかもしれませんね。

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緑が丘図書館には、スポーツの杜公園を見降ろした位置に「ブラウジングコーナー」というちょっとくつろいで雑誌などを閲覧できる場所もあります。新聞12誌、雑誌約160誌からお好きなものを選んで、肘付きのソファーやテーブルでゆったり過ごせます。

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雑誌は発売日当日に、図書館のホームページからネット予約がぱぱぱーっと入るそうですので、気になるものはお早目にチェックを!(→図書館の書籍詳細検索ページはこちら
新しく入荷した一般書籍については、新着紹介の棚へまずは並べられうそうなので、こちらもチェックです。ちなみに、ここの本は大抵すべて借りられていくそうで、本棚へ戻すのは返却時なんだとか。

市内で唯一のコーナーといえば、DVDやCDを視聴できるAVコーナーも外せません。他の図書館からでも、リクエストをすれば借りることは出来ますが、棚から直接CDを選んだり、館内で見たり聞いたりできるのはここだけ!

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ディスカバリーチャンネルや戦争関連の映像など、本では得られない情報を映像から知ることができるというのもミソ。国内外の映画やドキュメンタリーなど約400タイトルが登録されている常設DVD機器から、1日1本まで自由に選んで視聴できます。通常は電源が入っていないので、利用するにはカウンターへ声をかけると、整理券とヘッドホンを貸してもらえますよ。
この日も、兄弟で仲良くひとつのDVDを囲んでいる様子が見られましたが、ヘッドホンは複数差し込むことができるようです。管理用のパソコンで制御されていてリモート操作も対応しているので、もし操作がわからなくても、指定すれば画面を出してもらえるそうです。
貸出用のDVDには、なかなかレンタルDVD屋さんには並ばないようなドキュメンタリーものも、多くリストアップされていました。

AVコーナーには、DVDのほかにも音楽や演芸などのCDがあります。
DVDは盗難防止のために別に保管してあって、貸出リストから選んでカウンターへ申し出るのですが、CDは棚に並べてあるので直接手にとって選ぶことが出来ます。ちなみに、最近の人気はJ-POPでも洋楽でもなく、演芸の列に並べられている“落語”のCDなんですって!

DVDやCDは本と同じようにカウンターで借りられますし、返却期限も同じく2週間ですが、借りられるのは2点までで、貸出対象は中学生以上という制限があるのでご注意を。


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雑誌などが置いてあるブラウジングコーナー以外のテーブルなら、一般図書室を利用して持ち込みで勉強することも大丈夫だそうですが、ガッツリと集中して勉強したい!というにオススメなのが、1階の自習室。
利用者層は中学生や高校生など受験を控えている学生さんが多いようで、平日は満席になるほど!中学受験を希望している小学生が利用することも多いそうで、大人顔負けな集中力で頑張っているんですって。自習室が使いたくて塾に通うという話をよく聞きますが、ついリラックスしてしまう自宅で勉強するよりも、こういった場所のほうが効率良く集中出来るのかもしれませんね。

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「本当は個室感覚になるよう、パーテーションを立てることも考えていたのですが、閉館時などに別の目的で利用できるようにと、あえて長テーブルを置いた塾の教室タイプの自習室にしました。3人掛けのテーブルではありますが、ノートなどを広げて勉強しやすいように、整理券は一つのテーブルに2人というカウントで配布していまして、全部で28名が座れるようになっています。
もちろん勉強だけではなく、図書館の本を持ち込んでご覧いただくこともできますよ。」

自習室は無料で利用することができますが、勝手に入って好きなだけ使えるわけではありません。午前と午後でそれぞれ整理券を配布しているので、3階一般図書室のカウンターへ事前に取りにいくシステムになっています。
この整理券は席と連動しているので、好きな場所を選んで券を取ることが出来ます。また、午前の利用時間は9:00~12:50まで、その後10分の間に掃除を行ったあとに入れ替えられ、13:00から平日は18:45まで、土日祝は16:45まで利用することができます。
基本的には午前午後を通して利用出来ませんが、午後の整理券配布が12時から開始されて13時の時点で空きがあれば、また整理券を受けとった上で午後も再び利用することは可能だそうです。

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さてさて、そんな学びの雰囲気満載な3階一般図書室や自習室から一転して、2階の児童図書室はとっても和やか!
幼児~子供向けの絵本や児童書、中学生向けの図書などが置かれているこちらのフロアでは、子供でも一番上の棚まで十分手が届くように本棚がかなり低く設置されています。また、各棚に並ぶ本の種類を紹介した見出しも、一般図書室に比べて分りやすく、より具体的な仕分けになっていました。

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さらに、図書館全体で設置されていましたが、誰でも自由に出入りできる施設ということで、防犯カメラやベルがいたるところにありました。その様子も2階の事務室内にあるモニタで常時確認されていますので、子供だけで図書館を楽しめるよう安全にも配慮されたつくりになっています。

2階のエントランスには、飲食もOKの自由に使えるスペースもあるんです。見かけたときには、小学生の子供たちが集まって、春休みの宿題なのか、何やら一生懸命勉強していました。
一般図書室と一緒だと利用しづらいという子育てママにも、2階なら気軽に集まって楽しめそうですね!

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楽しめるといえば、緑が丘図書館では定期的にイベントが行われているのですが、この日も子供向けのイベントが2つ開催されていました。
2階児童室の奥に専用スペースがあって、靴を脱いで入る部屋になっています。ここでまずはブックカバー講座が行われました。予約制のイベントでしたが、丁度春休み中ということもあってか満員の盛況ぶり!

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前に立って教えてくれる先生1名と、子どもたちのそばで教えるサポート役の職員の方が2名の計3名の方に見守られながら、小学校低学年~中学年くらいの子供たちがテーブルを囲んで真剣に作業を進めていました。
「練習用に用意しました白い紙で、まずはブックカバーの折り方を練習してみましょう。出来上がったら、好きなスタンプを押したり、パンチで型抜きした折り紙を貼ったりしてデザインしていきますよ。練習が終わったら、本番用の和紙で好きなように作ってみてくださいね。」

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ひとつひとつの折り方を、ゆっくり丁寧に指導していく先生について、今日集まった女の子たちはおしゃべりもせず必死で折っていきます。そして1時間後、皆さんとっても上手に出来あがりました!
こうした楽しい工作を通じて、丁寧に本を扱う気持ちも芽生える素敵なイベントでした。

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さらに、15:40からは毎月定期的に開催されているお話会も行われていました。こちらは予約制というわけではなく、その時間に合わせて子供たちが集まってきているようです。4歳~を対象とした内容で、まずは5~10分程度の素話で興味を引き込み、それから絵本を読んで、その絵本の紹介をするといった30分程度のイベントです。

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もう少し小さい2~3才児を対象としたお話し会も、こちら緑が丘と大和田の図書館で毎月不定期に開催されています。それにはお母さんも一緒に参加できて、手遊びやわらべ唄などを楽しみ、それから絵本を読んで、お母さんにその絵本の紹介などをするそうです。

こうした子供向けのイベント以外にも、月いち程度で大人向けのイベントも企画されています。例えばこの4月は折り紙講座が開かれて、6名ほどの募集で鯉のぼりの飾りをつくるといった内容だったそうです。
「折り紙の本も数多く図書館には置いてありますが、やはり実際の折り方を指導してもらいつつ作ってみないことには、どうしても分らない部分も多いですよね。このイベントに合わせて折り紙の書籍を紹介したり、図書とのリンクも踏まえた企画を、今後も少なくても月1回は行っていきたいと考えています。」

※市内図書館のイベント情報はこちら/http://www.library.yachiyo.chiba.jp/modules/eguide/

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この折り紙講座の講師には、季節ものの飾り作りに携わっていた職員の方が担当し、限られた予算の中で興味を持ってもらえる企画作りに励んでいらっしゃいました。そのために、ボランティアの方々にも協力していただいたり、市内にお住まいの方にも色々な形で参加してもらっているようです。
「今は、講演会タイプの“図書教養講座”と、図書館の利用方法やホームページの閲覧方法、操作方法などを具体的にお伝えする“図書活用講座”という2パターンのイベントも企画しています。
平成17年11月に開催した図書教養講座では、病気に関する本を執筆された方に直接お越しいただいてお話をお伺いしました。限られた予算で実施できたのも、八千代市内にお住まいの作家さんで快くご協力いただけたということがありました。また、図書活用講座でパソコンに触れていただく機会をつくるために、同じ建物内にある公民館のスペースを借りるといったこともしています。」

今後は、どうしても図書館の利用が少ない世代の高校生~大学生向けの講座も開いて、活用方法を伝えていく機会を作っていきたいとのことでした。中学~高校生くらいになると、どうしても勉強時間に重点が置かれて、読書をする時間というのが十分に取れなくなってしまうというのが背景としてあるようです。それでも、本から得られる知識の重要性は、勉強に代え難いものがあると、図書館の方はおっしゃいます。
「幼児期~小学生の時期は、頻繁に図書館を利用してくれますが、その時期に触れる図書というのは娯楽的要素が強い傾向にあります。そのあと、中学生になって利用率が減り、高校~大学と進むに連れて、どんどんと利用率が下がっていくんです。大人の利用者で多いのは20代後半~30代なのですが、その前がぽっかり空いてしまっているのが現状です。
受験には一見関係はないかもしれませんが、大人になってから読むのではなく、その年齢で触れた書籍によって、今後の進路の可能性を広げるチャンスもあると思うのです。例えば、星に関する書籍を通じて志望学部の選択肢が広がったり、感動する職業を見つけて進路を再検討したくなったり。娯楽としてではなく、人生の糧として本をもっと取り入れてもらえればと考えています。」

“娯楽”としての図書館から、自由自在に“知る”ことが出来る図書館へと利用のスタイルを移行できるかどうかは、知りたいことが自身で調べられるという“本を探す力”が左右するそうです。これを小学生や中学生のうちに身につけておけば、高校~大学生になっても引き続き図書館を有効活用してもらえるはずです。そのためにも、高校生や大学生を対象とした図書活用講座イベントの実施や、地域の学校との協力体制を強めていきたいとお話なさっていました。
そうそう、ちゃんと2階の児童図書室にも専用のレファレンス窓口や検索端末が用意されていて、大人と同じように図書館を“活用”する環境が整っていました。

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そんなお話を伺っている中で・・・ふと疑問。
ところで私は、きちんとお目当ての本を探せるんだろうか?

「よく子どもたちに本の探し方について紹介するときには、『奈良の大仏の頭のブツブツって、何個あると思う?』『下駄の数え方ってなんだろう?』など、その答えが分る本を探してきてもらったりするんです。なび子さんは、その場合どうやって調べますか?」

そうですねー、大仏に関する本を探したり、モノの数え方の本を見つけに行きたいと思いますが・・・。

「では、その本がこの図書館のどこにあるか分りますか?」

文化っぽい列を探してみようかと・・・あ、でも数え方はさすがにどこにあるのか、ぱっと頭に浮かばないですけれども、ごにょごにょ・・・。

「大抵、図書の見出しというのは内容を反映しているものです。なので、設置してある検索端末などを活用していただくのが一番手っ取り早いですよ。“検索キーワード”に、手にしたい内容を入力してみます。この場合でしたら、“奈良”と“大仏”とか、“数え方”などでしょうか。検索結果にはズラリといろいろな本が表示されると思いますが、そこからそれっぽい1冊を選んでみて、まずはその本がある分類をチェックして本棚へ向かってみることです。そして、その1冊にこだわることなく、その周辺にある本を手に取ってみることがポイントです。大抵関連図書がたくさん置いてありますし、自分が思いもしなかったような見出しの本に掲載されていることもあるでしょう。
そして、さらに大切なのは、本を手に取ったら目次や索引を見てみること、それでも掲載されているか分らなければパラパラと中を見てみることです。最近の傾向として、子どもたちは目的の本を手にすると、知りたい事柄が全部その1冊の本に掲載されていると思って別の本を探そうとしないことが多く、本を見つけると中を見ようとしないのです。
まず開いてみることを子供に伝えたいですね。1冊の本にすべてが載っているわけではなく、色々な本に関連の文章が載っています。それぞれをピックアップして自分の中で総合的に理解し、まとめていく力を養っていくことで、得たい知識を自在に手にできるようになっていくのです。」

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最後に、図書館の方からこんなコメントもいただきました。
「図書館では、どんどんレファレンスを活用して欲しいと思っています。レファレンスへ届いた質問によって、職員は一生懸命その回答を模索するわけで、その知識を糧に、さらに良いアドバイスが出来るように成長していきます。その街の図書館に良い司書がいるのは、良い利用者がいるからと言われるように、図書館を育ててくれるのは実は市民の方々なのです。
お腹痛くなったり、ちょっと風邪気味かな?というときに、私たちがとりあえず病院へ行ってみるのと同じように、困ったことがあったらまず図書館へ行ってみよう!というくらい日常的に図書館を活用してもらえるようになりたいんです。」

にこやかながらも、そんな熱い願いを語っていらした職員の方からは、単に図書館を維持するだけという脱力したオーラは微塵も感じられません。心から八千代市の図書館を良くしたいと考えていらっしゃるんだなぁと、感動するばかりでした。
なかなか子供が小さいとゆっくり図書館を利用する機会も持てないんですが、まずは児童図書室からデビューしていって、子供が「お母さん、これどういう意味?」とか質問するようになったら、一緒に調べに図書館へ足を運べたら・・・と思いつつ、緑が丘図書館をあとにしました。

同じ市内の図書館を2か所まわってきましたが、これだけ色々な違いがあって、さらなるお話が聞けるなんて思いもしませんでした。八千代市には、あと大和田図書館と八千代台図書館という2つの施設がありますが、馴染みの図書館とは違った楽しみを求めて、図書館めぐりを楽しんでみてはいかがですか?

●緑が丘図書館 047-489-4946
千葉県八千代市緑が丘3-1-7緑が丘プラザ1階~3階(地図
アクセス/八千代緑が丘駅から徒歩5分
駐車場/有り・敷地内9台&敷地外12台(緑が丘公民館と兼用)
※出来るだけ公共交通機関をご利用ください。
開館時間/
一般室(3階)火~金 9:00~19:00、土日祝 9:00~17:00
児童室(2階)火~日・祝 9:00~17:00
※ただし、7~9月のみ児童室は平日18時まで開館
休館日/月曜日・館内整理日(1月~11月の各末日、平成19年は12月21日〔年末の整理日は毎年変わります〕。ただし土日祝月に当たるときはその前の金曜日)・年末年始12月28日~1月4日・その他特別整理期間
八千代市立図書館ホームページ/http://www.library.yachiyo.chiba.jp/

〔関連レポート〕
2007年12月16日 八千代市の図書館めぐり~勝田台図書館

最近、ようやく絵本の中身に興味を持ち始めたなび息子。

今までは読み聞かせてみても、ページをめくる動作に面白がったり、本を箱から出したりしまったりという遊び方しかしませんでしたから、音の鳴るような仕掛け絵本や、単純に大人目線でかわいいと思ったキャラクターの本ばかり買っていたのですが・・・そろそろ「質」にこだわった絵本選びが必要なのかも。

豊かな文章表現だったり、挿絵がすばらしいとされる、いわゆる「良い絵本」は本屋さんでも山のように紹介されていますが、そういう良質な本って、結構なお値段がするんですよね。年末ジャンボでも当たれば目につくものを端から買いまくれるかもしれませんが、そういうわけにもいかぬが現実。
うーん、どれがなび息子のウケがいいだろう??
どの本がいまのなび息子にとって良い本になるんだろう??
何冊も手に取り手に取り、迷う迷う。

そんな話をママ友達にしてみたんですが、目からうろこが落ちるような一言が返ってきました。
「私は図書館をよく利用してるよ。色々な絵本が沢山借りられるし、ついでに自分の読みたい本や雑誌も選んだりできるし、結構面白いのよ。」

・・・おお、そうだった!
こういう時こそ、図書館を利用すればいいんだ。

八千代市内には、現在「勝田台」「緑が丘」「大和田」「八千代台」の4ヶ所に図書館が設置されていますし、皆さんもご自宅近くの図書館に足を運んだことがあるかと思いますが・・・そういえば私ったら、まだ八千代の図書館ってどこも利用したことが無いんだった!
それこそ場所も分からなければ、利用方法も知りません・・・。

中学、高校時代は、当時住んでいた地域の図書館へ頻繁に出入りしていましたが、八千代に越してきた大学~社会人頃には、めっきり図書館に縁遠くなっておりまして・・・。
思えば、本が読みたいときは書店へ行くし、調べものはパソコンで済ませてしまったりと、いつの前にか「図書館へ行く」という選択肢が自分の中から消えていたんです。

よし。ここは一念発起、八千代市の図書館めぐりをしてみるか!

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記念すべき一ヶ所目は、八千代市勝田台市民文化プラザ内にある「勝田台図書館」。駐車場は市民文化プラザと共用になっていて、台数もかなり限られているので、隣接している100円パーキングへ駐車しました。目の前にはバス停もあるし、勝田台駅にもそんなに遠くないので、次は電車で来ようかな・・・。
図書館は、橋のような通路を渡った先にあるプラザ1階の、入ってすぐ左手にありました。

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なんだか学校の図書館を思い出すような、落ち着いた雰囲気です。入ってすぐ左に新着図書や雑誌がちょっとオシャレな感じで置かれていますが、通路を挟んだ右側からは背の高めな書籍棚がずらーり。
左奥の一角は、絵本や子供向けの本が集まっているようです。

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正面奥に、貸出・返却を行ったりするカウンターがあるのですが、すぐ右側には座ってゆっくり本などを閲覧できるテーブル席が設置されています。緑が丘図書館などは学習スペースが専用に設けられているのですが、勝田台図書館ではここのテーブルを学習スペースとしても解放しているとのこと。
それ以外にも絵本コーナー内にテーブルが置かれているものの、あまりゆとりのある広さではないため、通路の空きスペースなどを利用してところどころにイスを用意して、少しでも多くの方がゆっくり図書館を楽しめるように工夫しているそうです。
館内の様子も気になるけれど、まずは一度も利用したことのない身です。図書館の利用方法を伺ってみなければ!!

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貸出窓口などとは別に設けられた案内窓口で、初めて利用するんですが・・・と伝えると、「利用券はお持ちですか?もしくは、過去に作ったことがありますか?」と確認されました。
市内の図書館を初めて利用する場合、まずは「利用券」を交付していただく必要があるそうです。この利用券は市内のどの図書館でも利用できる共通カードなので、既にお持ちの方は初めて利用する図書館であっても登録の必要はありません。

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利用券の交付は、このカウンターで手続きをするんだそうで、「利用券交付申込書」に氏名や生年月日、住所など必要事項を記入するよう差し出されました。この申込書と一緒に、本人確認が出来る身分証明書を提出すれば、すぐこの場で発行の手続きをしてくれます。
ちなみに、身分証明書は、免許証や保険証、学生証、自分宛のハガキなど、住所確認出来るものであれば大丈夫。なお、中学生以下の場合は信用ベースだそうで、身分証明書を提出する必要はありません。

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職員の方が登録作業を済ませると、すぐにカードを交付してくれました!間違いのないよう、渡されたすぐその場でカードに名前を書いて完了です。一度発行された利用券に有効期限はありませんが、5年間一度も利用しなかった場合は、自動的に無効になってしまうそうなのでご注意を。

初めて利用する人には、職員の方が借り方などの説明をしてくれます。頂いたパンフレットを手元に、色々と丁寧にお話をしてくださいました。
「本は何冊でも借りることが出来ますので、借りたい本と利用券をカウンターまでお持ちください。貸出期間は2週間となりますので、それまでに返却カウンターへお戻しください。閉館後や休館日(月曜や月末の館内整理日)なども、外にブックポストを設置しておきますので、そちらに返却することができますよ。」

本のほかにも、DVDやCD、ビデオを借りることができるのですが、ここ勝田台図書館には置いてありません。その場合はリクエストすれば良いそうです。
「DVD・CDは緑が丘図書館、ビデオは八千代台図書館にのみ置いてあるのですが、一日一回物流便を巡回させているので、リクエストをしておけばどの図書館でも受け取れることができるんですよ。返すのも、市内の図書館であればどこで返却しても大丈夫です。もちろん、AV資料だけではなく本についても同じです。
もしお探しの本が市内の図書館に無い場合は、購入したり、絶版の本など入手困難なものでも市外の自治体から相互貸借するなどして、出来るだけご要望にお応えしています。なお、AV資料は図書館にあるものに限らせていただいてまして、ご返却についても、壊れやすいので必ずカウンターへお戻しいただいていますのでご注意くださいね。」

誰にも借りられていない場合は、翌日には別の図書館から本が届くそうですが、丁度貸し出されてしまっていつ届くか分からないケースもあります。・・・やっぱり、こまめに確認しに来ないといけないんですか??
「いえいえ!届いたらこちらからご連絡する仕組みになっているんですよ。予め電話かメールのどちらでご連絡するかをお伺いしまして、届き次第お知らせしています。」

予約方法は、カウンターなどに置かれた「リクエストカード」に記入するか、もしくは館内に設置された利用者用端末機、図書館ホームページ(http://www.library.yachiyo.chiba.jp/)、携帯サイトのいずれかから直接予約することもできるそうです。
※後者を利用する場合は、利用券の番号とパスワード(小学校5年生から発行可)が必要です。パスワードは利用券発行後、自分で館内に置かれた端末か、ホームページにアクセスして登録します。
→パスワード登録/http://www.library.yachiyo.chiba.jp/csp/yplw/cal950.csp?Phase=651


こうした予約・リクエストや、図書館内にある本などを検索することができる機械というのが、こちらの端末機です。ちなみに、検索するだけならパスワードは必要ありませんので、まだパスワードを設定していない方や小学4年生以下であっても使用することが出来ます。

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タッチパネル式になっていて、探したい資料の種類(図書・AV・雑誌)のボタンに触れると、本などの名称か作者名から検索できる画面が表示されます。
試しに「あるはれた」と入力してみたところ、「あるはれたひに」という絵本が3件ヒット。題名にタッチすると、その本がどの図書館に置いてあって、現在貸出中かどうかなどが分かるようになっています。

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図書館では、本のあらすじや著者紹介などのデータを購入しているんだそうで、登録してあるものについては“資料の内容をみる”というボタンから閲覧することもできました!

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こうして検索した本を、実際に借りたい場合は、利用券番号とパスワードを入力すれば、この画面から直接予約ができるんです。また、この検索結果はレシートのような紙にプリントして、パスワードを持っていない方がリクエストカードに添えてカウンターに持って行ったり、職員の方に質問するときに利用したりすることが出来るようになっています。

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予約は1日に5件まで、一人あたり最大15件まで登録できるそう。そんなに登録することがあるかしら?なんて思いましたが、今話題の「ホームレス中学生」を検索してみたら、なんと予約が209件!!こりゃ、しばらく借りれなそうです・・・人気の本ばかりを予約すると、確かに15件は妥当な数字かも。予約のシステム、上手に活用したいですね。
ちなみに、平成13年12月から図書館のホームページで図書の検索・予約が出来るようになったそうですが、今年10月のリニューアルで、さらに予約の取消しや、携帯サイトからの予約手続きができるようになったそう!平日外出先から予約をして、ゆっくり週末に借りに行ったり・・・など、自分のライフスタイルの合わせた図書館の利用が、どんどん広がりますね!

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図書館の利用方法を教えていただいたあと、この勝田台図書館の特色についてもお伺いしてみました。

「市内4ヶ所ある図書館のうち、唯一ワンフロアーに全部の図書が納まっているというのが大きなポイントでしょうか。館内は、一般コーナー、児童コーナー、ブラウジングコーナーと大まかな区分けをしていますが、階を移動することなく子供も大人も同じフロアを利用できるというのは、いろいろな本に触れる機会が広がるという意味でメリットになっていると思いますよ。」

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とはいえ、ワンフロアーということで限られてくるスペース問題。そうした中で、いかに利用しやすい環境をつくるかに工夫を凝らしていらっしゃいました。
「特に絵本などは、表紙を見せるような置き方をした方が、興味を持っていただきやすいんです。スペース的に十分なレイアウトができないので、本棚の上などを活用した空間づくりを心がけています。」

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本の配置にも利用者の視点を配慮したつくりに。
例えば、特に人気のある料理や手芸など家庭関係の本は、すぐに目のつく入口付近に配置されています。また、自分や家族が患う病気について調べる方が多いそうで、医療や病気に関する本棚は、利用者が目につきやすい位置へ並べられていました。
「ただ、本を種類別に並べているだけでは興味を惹くことができません。そこで、書店のようにテーマを決めて関連図書を集めたりする工夫もしているんですよ。この“ヤングアダルトコーナー”も、取り組みのひとつです。」
入口からカウンターまでの通路沿いに設置されたその本棚には、職員の方が中学生~高校生の方にぜひ読んでもらいたい!と思うような本が、集められていました。心の問題をテーマにしたものや、中高生が悩むようなことを取り上げた本、世の中の話を紹介するような内容のものなど、なかなか当時の自分だったら手に取らなそうなものまで置いてあります。
このヤングアダルトコーナーは、勝田台図書館のほかにも緑が丘図書館で設置されているとのことでした。

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また、一般向けにも毎回トピックスを決めて、関連図書を紹介するコーナーが設けられていました。例えば“アンデルセン生誕記念”にアンデルセンの物語を集めて展示するといったように、新聞記事などで話題になっているものを主に取り上げているそうです。こうした取り組みは、市内図書館のすべてで実施していて、トピックスが重ならないよう4館で調整をしているんですって!
ちなみに、この日に設置されていたのは、江戸東京博物館の会館15周年記念企画で夏目漱石をテーマに催しが行われていることに関連づけた「夏目漱石コーナー」。夏目漱石についての紹介とともに、著書や伝記的な本などが集められていました。

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図書館では、さまざまなイベントも行われているそうです。
例えば、子供向けの読み聞かせ。4歳~小学校低学年向けの「おはなし会」は前各図書館で行われているそうで、ここ勝田台では毎週水曜日に2階の“おはなし室”で開催されています。また、より小さな幼児向けイベントも、大和田図書館と緑が丘図書館で行われています。
各館オリジナルのイベントも企画されていて、勝田台図書館でもボランティアグループの協力で「大人のための朗読を楽しむ会」が2ヵ月に1回催されているそう。

「年に1回のリサイクルブックフェアーも好評のイベントですよ。古くなった本や除籍した本、またこのフェアーに合わせて1ヶ月前位から市民の方々に本を寄贈していただきまして、それらを何冊でも無料で差し上げるというものなんです。今年は11月に八千代市教育委員会庁舎内の会議室で行いましたが、大雑把ながらも箱に分類をしまして、選んでいただきやすいようにしています。毎年秋~冬の時期に開催していますので、来年はぜひご参加くださいね。」

※各図書館の最新イベント情報/http://www.library.yachiyo.chiba.jp/modules/eguide/

職員の方に図書館の利用方法をいろいろお伺いしたあと、特に気になっていた絵本コーナーを見まわってみました。

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単にあいうえお順で絵本が並んでいるイメージしかなかったので、こうしてちゃんと0歳~3歳向け、幼稚園年少さん向け、など対象年齢に合わせた絵本が揃っていることにびっくり!こんな風にまとまって置いてあると、私みたいにどんな絵本を選んだらいいのか迷っているママには、良い目安になります!

そのほかにも、大人向けには夏目漱石コーナーが作られていたように、子供向けの特設コーナーも!今月は動物がテーマになっているようで、動物園などで親しみ深いものから、イルカのような海獣まで、さまざまな動物の表紙が並んでいるのを見るだけで、子供でなくとも興味を惹かれてしまいます。

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一般図書の棚と隣接するあたりでも、子供が丁度手を伸ばしやすく、目を惹きやすい最下段には、小学校低学年に入るかどうかくらいの子供向けの本が陳列されていたりするのを見ると、絵本から一般図書へ少しずつ誘導するきっかけづくりとして工夫しているようにも見えます。
また、貸出図書のランキングを掲示することで、今まで読んだことのない本に興味を持たせるようにするなど、職員の方が利用者の立場を考えた図書館づくりをなさっているというのが、ひしひしと伝わってきました。

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「この勝田台図書館は、学びたい・本を読みたい・知識を得たいといった市民の方々に、心地がいいなと思っていただけるようリラックスした空間づくりを心がけています。陳列方法や本の紹介だけではなく、レファレンスとしての機能もどうぞお気軽にご活用いただければと思っています。お声掛けいただければ、どんな情報や資料が必要なのかを一緒に探すお手伝いをいたしますよ!もちろん、学校の宿題の直接的な答えになるようなことは答えられませんが、“こういう本に載っていますよ”という、知的欲求を引き出すきっかけづくりをサポートします。」
色々と説明をしてくださった職員の方は、最後にそうお話されていました。

一度も利用したことがなかったので、なかなか最初の一歩が踏み出せませんでしたが、利用してみると本当に簡単に借りられて便利ですし、何より本屋さんよりもずっと落ち着いて選べるこの空間!
何とも言えない“癒し”の感覚を覚えました。

今度は緑が丘図書館あたりに行ってみようかな。

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●勝田台図書館 047-484-4946
千葉県八千代市勝田台2-5-1勝田台文化プラザ1階(地図
アクセス/京成勝田台・東葉勝田台駅から徒歩5分
駐車場/有り・13台(勝田台文化プラザと兼用)
※出来るだけ公共交通機関をご利用ください。
開館時間/火~金 9:00~19:00、土日祝 9:00~17:00
休館日/月曜日・館内整理日(1月~11月の各末日、平成19年は12月21日〔年末の整理日は毎年変わります〕。ただし土日祝月に当たるときはその前の金曜日)・年末年始12月28日~1月4日・その他特別整理期間
八千代市立図書館ホームページ/http://www.library.yachiyo.chiba.jp/

〔関連レポート〕
2008年04月18日 八千代市の図書館めぐり~緑が丘図書館

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